物思う秋に

CLANNAD」が始まった。
内容は良く知らないが、キャストがステキだ。
例えば、古河パン屋さんの家族とか、ね(^^


何でかと言うと、多分次回、拙ブログで掲載するであろう
「〜奇跡の子供たち〜」の設定に大きく反映されそうな
そんな予感があるからだ。
しかし序章を春と設定したのが間違いだった。
少し早めて、春を待つ季節を1章とすべきだな。
そしたら、あと少しで掲載できそう(笑)
それから村上春樹のあの作品が、好きだ(笑)
笑ってばかりで申し訳ないが、これが事実だ。


 *** *** *** ***

潮風に吹かれて 3



ベルダンディーが好きって言ってた場所に行った。
山から降りて来た風と、海を渡ってきた風が出会う場所。
バイクを止めて、俺達は波止場に降り立った。
「今日も気持ちいい風ですねぇ〜」
風にゆれる前髪を押さえながら、彼女は俺の方を見る。
「そうだね。うん、気持ち良いな」
被っていたヘルメットを外した直後なので、殊更風が
気持ち良かった。
そんなに近くでも、そんなに遠くでもないこの場所を
選んだのは、色々と訳があるが、それでも俺達は
二人の思い出がある、この場所へとバイクを走らせたんだ。


それから俺達は、自販機で飲み物を買って飲んだ。
近くにあったベンチに座って、だまって海を見ていた。
「夏も終わってしまったんだな」
俺は、らしくもなくセンチメンタルな気分でそう言った。
「そうですね・・・季節は変わって行くんですよね」
海を見詰めているベルダンディーの横顔が夕日に染まる。
彼女は何を感じているんだろう。そう言えば、今日は
ちょっと薄着だよな、と螢一は思った。


「あ、螢一さんっ?」
「うん、ちょっとね…冷えるといけないから、ね」
螢一は、自分が着ていたライダージャケットを彼女の肩に
そっとかけた。
「暖かいです・・・ありがとう、螢一さんっ」
そっとかけてくれた服の温もりよりも、その思いが嬉しい
ベルダンディーは彼の優しさと思い遣りに心から、そう思った。


季節って、誰が連れてくるのかしら?
風がそっと囁くようにして、彼女の耳元にふれる。
同じ事の繰り返しのようで、時間が過ぎて行く
でも本当はそうじゃない、本当は少しづつ進化して
未来へと径行している事、変化が怖いんじゃない
知らない事が、ちょっぴり切ないだけ...


私はあなたへの風のように
巡る季節に会いに来る妖精の羽
時を紡ぎながら思い寄せながら
あなたの元へと心躍らすの


それはとても小さな声で、懐かしい感じがした
そんな歌を、突然ベルダンディーが口ずさんで
俺はちょっとビックリしたけど、でもきっと
彼女は喜んでくれているんだな、と思った。


潮風に吹かれて 3


by belldan Goddess Life.