豊穣の秋に

女神たちが睡眠している。
それだけの事、それだけの事なのだけど
彼女たちの、その安らかな寝顔を見ると
こちらまで、幸せを感じてしまう。


さしずめ俺は、女神たちを護る騎士だな、とか
いつか読んだ勇者の物語のように、最愛の姫を
悪者から救出して、その後の展開だとか、そんな事
色々考えていた。


でも実際、俺に出来る事と言えば、彼女らに
そっとブランケットをかけてあげるくらいなんだが
今は、それでいい。いつかきっと何かをしてあげたら
そんな悠長な考えも、優柔不断な思いもきっと
優しく受け止めてくれる、午後のシェスタ


いつも傍に居てくれる、彼女たちに俺は
何が出来るのだろう。
静かな平凡な暮らしの中で、未来をそっと
覗き見したい衝動に駆られるけど
夜が明けて、朝が来るように、そんな自然で
居られたら、それが一番じゃないかな?って思う。


庭の木が風に揺れる。
季節が変わり行く気配を残して行く。
小さな秋を見つけた。
安らかな寝顔、女神たちのシェスタ


by belldan Goddess Life.