すべての出来事が ”もし”と言う言葉から
始まったのなら...


 出せなかった手紙とか、いつまでもすれ違うのを
待っていた廊下とか、そんなささやかな事でも良い
君という存在を、どこかに感じていたい。
遠くから見つけた、後ろ姿とか
風になびく長い髪とか、もし、ここで君が振り返って
俺の存在に、気が付いたとしても


きっと何も起こらなかっただろうな。


面影だけが先行して、焦がれる思いだけが残った。
まるで夕日のように、黄金色をして
やがて沈んでいくんだ。


もし、俺が君に何かアクションを起こしたら
今とは違う何かが生まれたのだろうか?
時は永遠を含んで、それでも常に変化を求める
夜に思う、君の面影は、多分きっと変わって行くんだ
風に乗せた、かすかに残る記憶と、恋のカケラが
世界に旅立ち、帰る頃には、すべてが消えているんだ。


片思いしか知らなかった。
どこにも繋がらない世界で、どこにも繋がらない電話を
待っていた。
そんな時はかならず、君に会いたいと思った。
でも
君って誰だったのだろう?


表情を忘れた、恋の記憶。
焦がれる思いだけが真実になった今の俺には
切なさを辿る事しか出来ないのだろう。
心の傷は、悠久の時の河の水に癒されて
新しい世界へと踏み出す勇気をくれる。
それが何も無い平凡な世界でも、新しい”もし”が
物語を展開させてくれるだろうから。



 


 私の元へと電話が鳴る。
それは新しい物語への出発点なのかしら?
不思議に思うのは、あなたの事をずっと前から知ってた
心の中に、小さな波紋のような思いが生まれて
それがとてもキレイで、それがとても愛しいものだと
感じたから、だから私…


恋が生まれる。
恋が生まれた日の事を覚えてる。
風が耳元でささやくの「良い知らせ 良い知らせ」って
新しい世界が始まる。
新しい世界には、新しい恋が似合う。


きっと、あなたと私…



恋。



by belldan Goddess Life.