天使の羽

あのね、去年の事だけどね…


「天使の羽を拾ったんだよ!」
「ウソだっ!天使なんかいるもんかっ!」
「ウソじゃ無いモンっ!」
「べーだ!ウソ付きっ!」
「・・・違うもん…ウソじゃない…もん」


去年のクリスマスの、その前の前の日に
仙太郎お兄ちゃんの後を追って、河川敷に行ったんだ。
自転車の練習をしているからって、それで
教えてもらおうと思って。
仙太郎お兄ちゃんは、自転車に乗るのが上手だから
それはまるでお空を飛ぶように、まるで自転車じゃない
そのままどこかへ行ってしまいそうな、魔法の自転車。


あたしは知ってる
仙太郎お兄ちゃんにコイビトができた事を。
でもそんなの「関係ねぇ」って思ってる。
ふたりはとても仲良くて、すっごく切なくなるんだけど
でもおかしいの、ちょっぴりだけどシアワセな気持ちに
なるのは、どうして?


ふたりの笑顔を見る。あたしはそっと隠れて見てる。
神さまっ、あたしは、あたしの思いは間違ってる?
そんな時なの、お空から天使が降りて来て、そして
笑顔で、その優しい手で、あたしの頭を撫でてくれた。
それから抱きしめてくれた。とっても暖かかったんだよ。


天使は空へと飛び立って行く。その時、羽を一枚
それはまるでわたしへの贈り物のようで、それで
だからあたし、それをクリスマスプレゼントだと。


天使がくれた、クリスマスプレゼントだと思ったんだ。


今年は…今年も会えるかな〜あの天使さんに...。



「お〜い、アイちゃ〜ん、スクルドが呼んでるよっ!」
「は〜い、お兄ちゃん、スクルド姉さまっ!」


天使のその、見詰める先にあるものは
風に乗って、届けたいものがあるから
優しい気持ちの君の心に、奇跡のように
天使の羽、舞い降りる 舞い降りる。



天使の羽。


by belldan Goddess Life.



*** *** *** ***


天使の正体は、ベルダンディーの天使ホーリーベルでした(笑)
そして、仙太郎に妹が登場!マジっすか?「でもそんなの関係ねぇ」



「あ、帰ってきたわ」
「どうしたの?あれぇ?ホーリーベル?なんで?」
「あ、螢一さんっ、実はですね…」
これもまた、天使のお仕事なのですよ。とベルダンディー
微笑んだ。