探し物は、何ですか?

さて、音の調律プログラムを無くしたクロノ
届け主であるベルダンディーと共に捜索する事に
なったのだが、これがまた簡単には行かない。


「どの地点で無くしたのか、分かる?」
ベルダンディーはクロノに尋ねる。
「ええ〜と…多分、あちらの方角かなぁ」
「そう、じゃあ行ってみましょうね」
「はいっ」
ふたりは他力本願寺を出て、目的地へと向かった。


徒歩で(笑)


ベルダンディー?どうして歩いて行くのですか?」
不思議に思うクロノは尋ねる。
「そうねぇ…何か、楽しい事が待っていると思うの」
「楽しい事ですか?」
「そうよっ」
辿り着いた先は、いつものバス停だった。


バスに乗るんだ(笑)


それからふたりは、街へと向かう。
バスの中では、天上界の最近の出来事などの話で
持ち切りだった。
「うふふっ 面白いわねっ」
「面白くありませんよ〜みんなしてあたしを子供扱いして
イジメるんですよ?」
「それは、あなたが可愛いからよ」
「でもぉ…」
辿り着いた先は、いつもの商店街だった。


店先を見ながら、キョロキョロとあたりを見渡すクロノ。
「あ、あれ!何のお店ですか?」
「あれはね、お魚屋さんなのっ」
「お・さ・か・な?」
天上界にも、海はあるし、湖だってある。
しかし、そこに住む魚類を食すという行為は無い。
「観賞用にしては、ちょっとおかしい…」
「うふふっ あれは食材なの」
「ええ〜っ!」


可愛いショーウインドを発見したクロノ。
「あっ!」
「そうよ、アイスクリーム屋さん」
とても食べたそうにしているクロノだった。
「ちょっと行きましょうか?」
「わぁ!良いんですか?」
「ええ」


こんな感じで、色々な店先を回り、楽しく時間を
過ごしていたふたりだが、やがて日が暮れて来た。
「もう、こんな時間…買い物を済ませて帰りましょう」
「はいっ!あ、でも…」
「プログラムの事?」
「…うん」
「大丈夫よ、きっと見つかるから」
笑顔でクロノに語るベルダンディーだった。


本当に大丈夫なのかなぁ?でもベルダンディー
言うからには、きっと大丈夫なんだろうと思う。
とにかく、あたしも女神なんだし、しっかり使命を
果たして、天上界へ戻らなきゃね。


それにしても、地上界って面白い。クロノはそう思って
クスリと笑った。



探し物は、何ですか?


by belldan Goddess Life.