水着じゃないですわよ?

天上界一露出の多い神衣を纏う女神さまっ...


ある時は、高貴な薔薇
ある時は、清らかな水辺の真紅
また、ある時は、チクチク
「チクチクとは、何ですの?」
それはともかく、他の女神達とは違って
とても露出が多い神衣ですね?
「マイノリティ…と、でも言いたいのかしら?」
いや、風邪を引いたら大変だと。
「お優しいのですね」


「違うよ〜ペイオースは水着を着てるんだよ」
その屈託の無い笑顔はクロノ。
「そうでしたの…気がつかなくて」
曖昧な笑みを作るのはエレ。
「合理的なんですね」
興味なさそうに答えたエクス。


「ま、まぁ…とにかく、これはとても便利な衣装で
色んな事に対応できる優れものなんですのよ?」
コホンと小さく咳払いをしてペイオースは、拡散する
自身の評価を纏めようとした。


「え?どんな?」
思わず口についてしまった疑問は、空気をまったく
読めていないクロノだった。
コホンと咳払いしたペイオースの意図を、まったく
汲み取ってない。
心配そうに見詰めるエレ、呆れるエクスは、早くこの場を
立ち去りたい気持ちで一杯だった。


「まぁ…その…とにかく!」
答えに窮するペイオース。
「そうだわっ!ペイオース…ほら、例の…」
エレの助け舟が出た。
「例の…?ああ、アレね…『音の調律』の件ね」
安堵するペイオースは、モチベーションを保ちながら
「その件は…そうですわね、クロノ?あなたに頼めるかしら?」


「へっ?あたしですか?」
きょとんとした顔で、何の事か分からずにいるクロノ。
「そうですわ、あなたに一任しますわね」
それから、と言ってペイオースは地上界の仕来りだと称して
メイドの服を着ていくように命じた。
「これは大事な仕事ですから、くれぐれも間違いの無いように」
そう言って、強く念を押した。



こうして地上界に降臨したクロノだったが、一体どんな事に
なっているのか…



「大丈夫なの?」
とエレは心配そうにエクスに言った。
「多分ね…地上界にはベルダンディーもいるから…」
エクスは心配するエレの肩に手をやり
「何とかなるでしょう」と答えて、それから
「尻拭いは、言いだしっぺのペイオースに任せましょう」
と、ニヤリと笑った。



天上界での出来事/水着じゃないですわよ



by belldan Goddess Life.