春に誘われて

好きな娘がいるんだ。
その娘と居ると、まるで宝を探す冒険をしている
みたいで、とても危うくなるんだ。でも、毎日が
とても新鮮で、明日が待ち遠しくなって来る。




「おおおおおおお、おねえさまぁ〜!」
いつも騒がしいスクルドが、いつも以上に騒がしく
姉のいる厨へと駆け込んできた。
肩で息をし、今にも倒れそうな勢いだ。
「あらあら、どうしたの?スクルド
煮物の出来具合を確かめていたベルダンディー
その出来具合に安堵を覚え、ちょうど火を落とす所
だった。
「あのねあのね…今度、あのね…」
何から言って良いのか、それすらも考えられずに
気持ちだけが先行しているのが、手の取るように分かる。
そんなスクルドの姿を見て
スクルド、とにかく落ち着いて、ね」
と、冷凍庫からアイスを取り出したベルダンディー
彼女を框に座らせて、アイスクリームを手渡した。


「あ、ありがとう、おねえさまっ・・・」
冷たいアイスを口に運ぶと、少しは冷静さを取り戻した
気がした。


冷静さを取り戻したスクルドは、事の次第を話し出した。


場所は変わって、いつもの河川敷。
スクルドは何時もの様に、仙太郎と楽しい時間を過していた。
日が傾く頃、そろそろ帰らなくてはいけない時間が来て
仙太郎がスクルドに言った事が事の発端だ。
「ねぇ、スクルド?今度、俺の家に遊びに来ないかい?」
「へっ? えっと…それって・・・」
「うん、実はね、母さんにスクルドの事を話したんだよね
で、だったら一度、連れておいでって…」
「・・・・・・」
「あ、無理なら…その…」
「…ううん、無理じゃないもん!あ、でもね、あのね…」
本当に、あたしで良いのかなって…


風の向きが変わった。それは冬から春になったって証拠だ。
柔らかなスクルドの髪を、春の風がすくって行く。
夕日に照らされてふたり、影が伸びて行った。



おわり。



 *** *** *** ***


やっとアフタ最新号(5月号)を拝見。面白い展開に
すでに次号が待ち遠しい今日この頃です。
背表紙マンガも、進展中だし、親衛隊の皆様も活躍中
だったので、ホッと安心している自分がいます。
本編の物語も、やはりこの二人が活躍しなきゃダメって
感じでした。
ステルス・モード、ECSモード?或いは熱工学迷彩か…
ガンバレ、僕らの2級神コンビっ!