ダイエット大作戦

スクルドが美味しそうにアイスクリームを食べている。
みんなのティールームで、ウルドはそれを見ていた。
「ねぇちょっと…あんた、太るんじゃないの?」
姉の言った、何気ない言葉が、彼女を刺激した。
「ななななっ!太る訳ないじゃないのよっ!」
あたしは女神なのよ〜!と大声で否定した。


ふふん、と鼻で笑うウルドは
「油断大敵よぉ〜ちょっと見せて御覧なさいよ」
そう言って、スクルドの腹回りをまさぐった。
「ななななななっ!何するのよっ〜!」
必死で抵抗する彼女は、反撃を開始した。
「そう言うウルドだって!露出が多いから気になるんじゃ
ないの?」
ほら、とウルドのあらわに出している腹部を指摘した。
「ちょっと!言い掛かりは止めてくれるかしら?」


それまで空中でフワリと浮いていたウルドは、その肢体を
地上に降ろしてポーズを取った。
「このわたしの…どこが太っているって言うのかしら?」
見るからにナイス・バディだ。だが、スクルドにしては
それがナイスだとは思えないらしい。


「ほ〜ら!その無駄に付いた贅肉?脂肪って言うのかしら?
ぷよんぷよんじゃないの?」
「しししし、脂肪ですって!」
「そうよ、無駄肉とも言うわね」


両者睨み合いが続く中、ベルダンディーがお茶を持って
入ってきた。
「あら、にぎやかねぇ」
テーブルにお茶を置くと
「ところで…誰が太っているって?」


「ウルドよっ!」「スクルドっ!」
と二人同時に言った。


「それは困ったわねぇ…そうだわっ!こうしましょう!」
ベルダンディーが出した提案は、何の事は無い、以前
深夜TVで見たダイエット番組の事だった。
「ふたりで、ね?ダイエットなんてどうかしら?」



そんな訳で、ウルドとスクルドのダイエット大作戦は
ゆるゆると決行されたのであった。
ウルドは禁酒、スクルドはアイス禁止だ。
1週間が立ち、ふたりの欲望は頂点に達した。
それまで屍累々とした日々を送っていたふたりが、ある日を
境に、強力なタッグを組んだ。


暴君ベルダンディーを倒し、見事台所の冷蔵庫から
それぞれの趣向品を奪取する事、それが使命だ。


はたしてふたりの運命はいかに…天上界最強のひとりとして
その誉れをほしいままにしているベルダンディーを倒す事が
出来るのか!?


次回、迷宮への扉。



by belldan Goddess Life.




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はい、次回もへったくれもありません(爆)