その 願いは

下拵えを済ませたラビオリ
たっぷりなお湯を湛えたお鍋に入れて
一つまみのお塩をさらりと加えた。
みんなのティールームの柱時計、ちらりと
見据えて、時間が来るまで一休みしましょう。


鍋の中、くるくる踊るラビオリの群れ。


私、クスクス笑顔で見詰めてる。
だって出来上がりの事、想像したら嬉しくて
きっと螢一さんっも、喜んでくれるって
しあわせな時間、流れていく時間
めの前にある空間、いつしか移り変わるけど
てを繋いだ感触みたいに、いつまでも忘れない
ほしの夜、思い込めて
しずかな海、水平線の彼方
いつまでも、一緒にいたいと願うの。


「ただいま〜」
その声は、螢一さんっの声
「今日は何を作ってるの?」
興味津々な質問に、私は興味深く答える。
「ラビオリを茹でているの、今出来た所だから」
ほら、と鍋を指さして「あら、いけないっ」
ちょうど時間だわ、とサッと笊に移した。
ほかほかの出来立て、ちょっとだけだと、指で摘んで
味見をしてみる。うん、大丈夫、上出来だわ。


「美味しそうだね」
螢一さんっの顔がほころんでいくと、私まで
嬉しくなる。
「味見しますか?」
「うん」
私は小皿に取って、彼の前に差し出した。
「うん、とっても美味しいよっ」
「良かったっ」
それから私は
「あの、ソースも作ったんですけど…」
「それも美味しそうだけど、出来立ての今なら…」
それからふたり、それはほとんど同時に
「「パルミジャーノだよね(ですね)」」って
ふたり、顔を見合わせて笑ってしまった。


だからなのかな、笑いすぎてしまって
足元をふら付かせた私を、螢一さんっは
優しく抱き止めてくれた。
ほら、叶うでしょ?
こんなにも早く、こんなにも素敵に...


その 願いは。

by belldan Goddess Life.


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ベルダンディーと螢一くんの甘い時間とか…
まぁ原作では、多分無理な情景ですよね(苦笑)


あ、ベルダンディーの願い、作中に隠されてます
お暇なら探してみるのも一興かと...