夏の風景 その2

「螢一さんっ?螢一さ〜ん?」
ベルダンディーが俺を探しているようだ。
「あー裏のバイク置き場に居るよー!」
パタパタとサンダルの音、そして声が近づく。
「あ、ここにいらしてたんですねっ!」
「うん、何か用事かな?」
「いいえ、別に…」
「そう」
「あの、私も見てても良いですか?」
「うん、良いよ」
良かった、と言ってベルダンディーは俺の横に
しゃがみこんだ。肩が触れそうな距離で。


夏の夕暮れ、日中の温度も残る。
いくら日当が当たらなかったと言っても
さすがに暑さは隠せない。
ベルダンディーの姿も、夏の装いで、と言っても
家の中のなので、かなりの軽装だ。
コットンのタンクトップとお揃いのミニスカート
は、彼女の端正なシルエットをあまり隠さない。
しなやかに伸びた肢体は、白く輝いていて、目を
向けてしまうのを憚るくらいだ。


チラリと横目で見る。あの…見えてるんですが。


しゃがみこんだ姿勢と、短いスカートの相乗効果と
言うか、中身が見えてる。
言うべきか、言わざるべきか…そこが問題だ。と
哲学者を気取っている場合じゃないよな。


白い。うん、白いよな。


で、どうする俺?ここは見えない、見てない素振りを
決めるべきなのだろうか。
それが紳士たる者のすべき態度ではないだろうか。
騎士道精神を見習え…って、騎士道は関係無いな。
TPOを考えてみる。
もしここが往来なら、進んで注意を促すべきだろうが
その際、最新の注意が必要だ。
ああ、難しい…この難攻不落な牙城を、どう攻める
べきなのか、大いに迷う所だ。


しかし待てよ?もしかしたら「見せてますっ」
と言うサインなのかもしれない。
でも何故ゆえ見せるのか…計り知れない。


そんな事を悶々と考えている俺を心配して
「螢一さんっ?どこかお加減でも悪いのですか?」
心配そうな顔をして、さらに俺を覗き込むように
向き合う形になってしまったので、さらに見える。
一瞬目を逸らしてしまう。それが良くなくて
彼女はさらに心配になってしまう。
「暑気当たりなのかも…大変だわっ!」
そっと伸ばした手が、俺の額に触る時に、ふたりは
思わず体勢を崩してしまった。
「わわっ!」
「きゃあっ!」
それで俺がベルダンディーの下敷になってしまった。
いわゆるマウント・ポジションだ。
しかしそれが幸いして、例の白い物が見えなくなって
嬉しいが、この体勢は、ちとヤバイよな。
「ご、ごめんなさいっ」
赤面したベルダンディーの表情は、とてもとても
色っぽかった。それがさらに事態を悪化させようとは
彼女も思ってはいないだろうが、それにしてもこれは
俺的に、とても非常事態だ。


「あんたら…そんな所で何してんの?」
ヤレヤレと言った表情で、ウルドは溜息を付いた。
「あのその…これは、いわゆる事故で…」
「螢一さんっ 大丈夫ですか?」
「良いから良いから…その続きは部屋ですれば?」


「螢一さんっ そうしましょう!」
「ええっー!って…」
アリなのか?マジでアリなのだろうか?と俺は
動揺を隠せない。
とにかくここを離れないと、と俺は起き上がろうと
するのだが。。。


 続く(と言っても決して18禁じゃないぞ)


by belldan Goddess Life.


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ここでは書くのは無理だ。もっと簡略に書くべきだと反省。