変わる季節の詩

8月もそろそろ終わりですね。
夏休み…それは遠い記憶(笑)


ところでアフタ最新号で、ベルちゃんが螢一くんの為の
誕生日プレゼントを探しに行く場面があったのですが
彼の誕生月って何月なの?と悶々としてます(笑)
原作初公開なんですよ?気になりませんか?
暫定とは言え、仮にもベルダンディーの誕生日は元旦って
設定になってますが、主人公である螢一くんの誕生日が
まさに今、明かされる…のか?


そう言えば原作の現在の季節って何だろうと考えて
ベルダンディーの衣装とかを参考に推測するのですが
今一決定的な結論には至りませんでした(笑)



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「こんにちはー!」
フケの良いバイクの排気音が止まって、静かになった
他力本願寺の裏から、今度は元気の良い足取りと共に
威勢の良い声が境内にも響き渡った。
森里螢一の実の妹、恵である。
「螢ちゃーん!居るー?!」
大体、森里家の休日は、こんな風にしてドタドタと
始まって行くのが風習なのだろうか。


普段なら、軽やかな歌声のような、そして天使のヴォイス
のような女神さまっの麗しいご返答が帰って来るのだけど
今日は何も聞こえて来ない。
「おっかしーなぁ…って!ああ、そうだった…」
恵はベルダンディーが不在なのを得心したようだった。


”そろそろ螢ちゃんの誕生日だものね…”
くふふ、と含み笑いをして、さらに声を出した。
「螢ちゃーん、居るんでしょう?早く起きなよー!」


こんなに声を出していると、ベルダンディーの実姉の
ウルドが、気だるそうに顔を出して来るはず…だけど
今日はお留守みたいね。
そう言えば、あのちっこい娘…スクルドも五月蝿そうに
出ては来ないし…皆でお出掛けしたのかなぁ、と恵は
思った。


帰るか、と思った所で、急に雲行きが怪しくなって来た。
”雨…降るかも…”
そう思った途端、暗雲がたなびき、みるみる空を覆って行く。
そして、まるでバケツをひっくり返したかのような豪雨が
周辺を見事なまでに覆いつくしてきた。
「うっわ…すごい…」


落雷と共に、ゴゥゴゥと唸りをあげる雨に、感心しながら
母屋の框で雨宿りをしている。
”わたしって…不運なのかなぁ”
そんな思いも心によぎる。
実兄の誕生日プレゼントの費用を、自分の不要なカメラの
備品を彼に買わせて、それをプレゼント費の当てようとした
報いなのかもしれないと、恵はぼんやりと考えた。
”自業自得ってやつ?”
そう思うと、苦笑いしか出てこない。


豪雨だけど、落雷も鳴っているけど、何だか雨の音って
とても心地良い。
一定のリズムかと思いきや、ポリリズムのような不安定さも
あって、何だかとても、眠くなって来る。
「ふわぁ〜」とアクビをひとつ。
そしてそのまま、玄関先で、眠ってしまった恵であった。


夢を見る。
雨上がりの夢。
虹のかかる空へと飛翔して行く心の翼は
やがて優しい光に包まれて。
変わる季節に 言葉を添えて。
”螢ちゃん、誕生日 おめでとう”


変わる季節の詩。


by belldan Goddess Life.


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更新するのもアレなので、追記として。
別館 Goddess Life Annex. にて別物を掲載。
以前に書いた作品です。「古木と女神と人と」
お時間ある時にでも、どうぞ(^^;