綺麗な輪郭

綺麗な輪郭 それが自然の形ですよね?
そう言って笑いながら くるりと舞う君の
遅れて回るスカートの裾 ひらりと花のように


後れ髪を風が優しく撫でて行く 小さな乳白色の天使
まるで悪戯して怒られたように そっと隠れて行った


夕暮れが迫る海が見える通りで 長い長い夢の続きを
見ていた そんな気がした でもそれは終わりの始まり
夕凪の砂浜に 遠くに沈む夕日見詰めながら
「さよなら またね」 と言葉が響いて


さっきまでの綺麗な輪郭が どうして滲んでしまうのだろう
世界は均衡を崩していく 世界は再構築されるべきなのか
かすかな記憶に手の伸ばして 手繰り寄せようとする
実感の伴わない 空虚に 空へと


君はどこから来たの?そんな自問を繰り返し 繰り返して
迷路のような思考に 試行は止まる 至高の時がいつか
訪れるのだろうか そんな迷宮の果てに


君を見ていると どうしてだろう 涙が出てくるよ
この一瞬の時は 砂時計のように サラサラと流れて
時の彼方へと 追いやられて行く


「あの…どうしたんですか?」
思考の迷宮に迷い込んだ俺の頭の中に 救いの声が響く
心配そうな君の顔に 少し安心する俺がいた
君が俺の傍に居る事 それが当たり前のようになって
その奇跡自体を平凡な日常へと埋没させてしまったのは
多分 俺のせいだ
「でも、私…何か出来る事、ありませんか?」
救いの女神さまっの 暖かい言葉が世界を構築していく


ここに 「君がいるだけで」 いいんだよな


出会えた奇跡に 言葉に命が吹き込まれて行く
そして 太陽が沈み また昇るように繰り返し 繰り返して
ふたりの心は 求めて行くんだろうか
永遠に繰り返す ふたりの絆は その答え求めて
何度も出会って 何度も別れ繰り返して 繰り返して行って
それでも また会いたいよって 思う


「螢一さんっ? け・い・い・ち・さんっ?」
不思議そうな表情で こんなに近くに 君の顔がある
何度でも守ってみせるさ 何度でも出会って…


「君がいるだけで いいんだ」
「えっ!?」
「うん、それでいいんだ」
「あ… は、はいっ!」


ふたりの輪郭 綺麗に重なった。


by belldan Goddess Life.