幸福の蒼い鳥

幸福の蒼い鳥 掌に舞い降りて
口ずさむ声に 心寄り添いて
私も歌おう あなたのように
この空の下で 巡り合う貴方へ...


懐かしい歌、私がまだ天上界で見習いをしてた頃に
テラスに座って、小さな小鳥達と歌っていた歌。
振り返ると、いつも先生が笑って見詰めていた。
その優しい眼差しが嬉しくって、あなたの元へと
走り出していた。まるで子犬のように。
柔らかな日差しと風、遠くの森から運ばれた来た緑の香り
それらが全て、当たり前のようだったあの頃の事を
ふと思い出したのは、どうしてでしょうか。


家事を終えたベルダンディーは、縁側から見える庭を見て
溜息とも付かない感嘆をもらした。
「もしかして…私、重ねているのかしら?」
面影を重ねる、それはつまり遠い昔のあなたの事。
大好きだった先生の指導の下、地上界へ降臨して初めて
出会ったのは、今の螢一さんっの過去の姿だった。


初めての恋だった。
それまでの私の全てを覆す位の衝撃と、未来への予感を
感じて、期待と不安に幼い胸は押し潰されそうだった。
あれから、幾年が過ぎて行っただろうか。


それでも先生は、変わりない優しい眼差しを向けてくれて
私にたくさん指導してくれた。
思えば、その頃から…その瞳の奥にある光が何を意味する
ものなのか、薄々気が付いていたんだと思う。


だけど…


今の私には、
螢一さんしか、
いないのだもの。
螢一さんっでなければ
駄目だもの。
私…もし、何も無くなってしまっても
あなたの傍に居られる事が出来たなら...


裏庭の木々から、小鳥達の歌う声が聞こえて来た。
あの頃のように、私も歌を歌えるかしら。
そっと口ずさむメロディーに心を篭めて。


幸福の蒼い鳥。




by belldan Goddess Life.


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とりあえず意味不明…詳細は別館とか。