ハーブ・ティ
どうしよう、チョコのお返し…
と言う訳で、森里螢一は悩みに悩んでいた。
とりあえず気の利いた店へと向かったのだが、どうにもこうにも
何を選んだら正解なのか、分からない。
洋服、アクセサリー、可愛い小物、どれも良くて、どれでも良くて
「こういったセンスは皆無だもんな…」
頭を掻いて思案に暮れてしまう。
「参ったな…」
数軒回った後、ちょっと休憩しようと思った。
「あれ?この香りは・・・」
いつだったか、彼女と来た事がある紅茶専門店。
そこから良い香りがしていたのだ。
ちょっと覗いてみるか、休憩もしたいし、な。
店に入り、お薦めのブレンド紅茶を頼み、席で待つ間
彼女の事を考えてみる。
そう、その雰囲気とか、或いはちょっとした仕草とか。
店の中では、懐かしい音楽が流れていた。
「ブルー&ブルーベルズだよな?」
自由な感じの楽曲に、心も踊る。土曜日の午後は、良いものだ。
帰り際、思い付いて、ここの紅茶を買って帰ろうとした。
それでレジを済ませた後、店の人に尋ねてみた。
「あの、アレンジ・ティって出来るんですか?」
店員はにっこり笑い
「もちろんですよ。あの、どういった感じのをご所望ですか?」
「あっ…あの、えっと…」
「もしかして、彼女へのプレゼント、とか?」
「あ…ええ、そうなんです」
「失礼ですが、彼女の雰囲気とか?」
「…そうですね…女神…のような…」
「あら!まぁ! そうですか…ふふふ、でしたらこちらは?」
出された紅茶はハーブをブレンドした物だった。
「どうでしょうか? あ、香りを試してみては?」
言われるまま、香りを嗅いでみた。 何だか幻想的だ。
「神秘的…そんな感じですね」
不思議と違和感がなくて、それを包んで貰って店を後にした。
でも、考え見ると臆面もなく 女神って言ってしまったんだよな。
「あはは・・・」
気に入ってくれると良いんだが…
ハーブ・ティ。
by belldan Goddess Life.
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今更ですが、文章を書くのは難しい...