恋の必勝講座 3.

「恋のルールは日々変わるのよっ!」
そう、毎日更新されるって言っても過言ではないわ、と
ウルドは豪語する。
思った時が吉日なのだから、その時に実行すべきと言う。
「後悔先に立たず…と言う事かしら?」
それがどんな事でも、やらずに後悔するよりも、やって後悔
する方が前向きだし、進展もあるって言うものだわ、と
ベルダンディーは頷くのであった。


「乙女はDO MY BESTでしょ?」とにっこり笑い、妹を
送り出したウルドは、さて、その全容を把握すべく自身の
分身を、と言うかただ単に小さくなって螢一の部屋に潜入し
ひっそりと事の次第を索敵中なのであった。
乙女も何も、あんたらは女神さまっでしょ!と突っ込みは
この際棚上げしとく事にして、自称『恋のキューピッド』の
ウルドは自身の立てた作戦にえらく満足していた。
妹を思う姉の心尽くしとでも言えばいいのか、それとも
単なるお遊びなのか、それは分からないが、これだけは言えた。


ウルドは、暇だったのである。


さて、ベルダンディーも着替えを済ませて、螢一の部屋に
向かって来る頃だし、一部始終ちゃんと録画しなくちゃ、と
これまた小さなカメラを取り出したウルドは、あたりを警戒し
あの小ウルサイ小姑…スクルドの乱入がないか気を巡らした。
無論用意周到に結界を張り巡らせてはいるのだが、あの娘っ子
の事だ、何をしてくるのか分からないからね、とウルドは思う。


「あの、螢一さんっ 入ってもいいですか?」
来た!ウルドは待ち構えてカメラのレンズを向ける。
「あ、うん…どうぞ」
うふふ、螢一ったら、ちょっと緊張しているぞ!


襖が開かれる。
そこには見目麗しい女神さまっのお姿が神々しくもあった。
素晴らしい美貌、しかも全裸に近い半裸だ。
その上から薄いヴェールを纏っているものだから、さらに
エロチシズムはブーストされている。
「こりゃ…相当にエロいわ…」
思わずウルドも感嘆してしまった。
螢一を見ると、目がテンになってしまっている。
そりゃあそうだわよね、とウルドは思う。
普段、清廉潔白の印象が強いベルダンディーだからこそ
正反対の妖艶な姿を見せ付けられると、そのつまり…
いらん妄想に火が点くって訳よね。
「だめだコリャ…」
何とか良いムードにもって来て、ラブラブ全開なれば、と
思っていただけなんだけどなぁ。
こうも神々しく、しかも相当エロイってどういう事なのよ。


その時、螢一は心からあふれ出た言葉を発する。


「キレイだ…」
「え? あの…」


おっ!螢一のヤツ、中々良い事を言うじゃない!とウルドは
思った。
そうなのよ、私たち女神さまっのは、そう言う者なのよ。
その調子で、もっと私の事も崇拝しなさいっ!
崇めなさい!と強調した。
何やってんだか、と言う突っ込みはこの際無しにして
目的に対しての手段も何もあったものではないが
何やら思いは成就しそうな気配であった。


ウルドの『恋の必勝講座』 3.


by belldan Goddess Life.


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可愛さは正義! キレイも正義!
そしてもっとわたし(ウルド)を崇めなさい!(ぉぃ