あれあれ?

「あれっ?」
スクルドは首をかしげる。それは最新号の『どぼん』に
連載中だったお気に入りの漫画の休載記事を目にしたからだ。
「ああん…続きがとっても気になっていたのにぃー!」


その漫画とは… 『ご近所魔法少女ルナルナ2』だった。


あらすじをかいつまんで書くと……謎の美少女に出会った
主人公であるルナと言う少女が、ある日突然、魔法を使える
ようになった…と言う、いかにもテンプレっぽい話だ。
在りがちな話だけど、そこはそれ、王道と言うか、少女漫画の
王女さまっとも云うべきものだった。
そして、とある日、ルナは猫を拾う訳だが、そこから話が
どんな展開をして行くのか…非常に興味津々だったのである。


「あの、グルグル魔方陣が…それにポワポワのステッキが…」


多分、スクルド自身が欲しいアイテムなのだろうと推測される。


だったら自分で作ればいいのに、と思うのはみんなの思いだろう。
だけど、ほら、だってさぁー。
「だって、メンドクサイ」
ぽーん、と雑誌を放り出して、今後買わないでおこうかしら、と
ブツクサと文句を言うのだが、それはきっと叶わぬ願いだと。


魔法を使えたって、法術を使えたって、きっとあたし自身の思い
って、彼には届かない。
だったらどうする?答えはもうあるんだ、とスクルドは思う。


ちゃんと伝えなきゃ…「うん、言わなきゃ始まらないもん」
分かってる、分かっているんだけど、そんな公式はどこにも
無いんだもん。


ねぇ、恋って法則があるのかしら?
ルールがあって、それも日々変わっていくのかしら?
誰にも思い悩む事があるって、本(どぼん)にも描いてあった。
だけど…「願いは叶うもの」と思う。「夢は叶うもの」だと。


わたしもいつか、おねえさまのようになって、そして…
そして、ステキな恋人に巡り合って…
「それって、もしかしてケーイチのような存在って?」
違うもん!だって、仙太郎くんは、もっと…


もっと、カッコ良いんだもーん!



 猫の祭典(苦し紛れの余談)


*** *** ***


「何してんだか…」
ウルドは一部始終を見ていて溜息を付いた。


by belldan Goddess Life.