君に届けと追い風がEND

「でも…どうしてあんなに回りクドイ事を…」
ロケットパンチの有線を回収しながら、シーグルは尋ねる。
その声に、上を向いてしまった ばんぺい君RXだったが
そうすると彼の頭上に、シーグルのスカートの裾が入り込んで
しまうのだった。
「バ、バカー!上を見ないでよっ!」
シーグルのスカートの中に彼の頭が隠れてしまう事となるから
慌てて彼の頭をポカポカと叩こうとするが、肝心の腕は回収中。


「ほほほ…全て上手く行ったわねぇ〜! さすがアタシっ!」
上空の恋人達の逢瀬を、目を細めて見守りながらウルドは
「ちゃんと届いたわねぇ〜」 と楽しげに語った。


恋のキューピッドの面目躍如と言ったところ、だろうか。
ウルドの演出は完璧だった。実際、かなり回りクドイのも
計算なんだろう。
「恋には障害は付き物よねっ」とウルドは言う。
「だからこそ燃えるってものだわっ」と更に追言する。


だとしても、だ。


本当に、回りクドイと思う。


でも、簡単に手に入れられるものって、そんなに有り難くはない。


だから、手助けがとっても楽しい贈り物になる。


「ところで、アンタ達っ」
ウルドは砲台と大砲に告げる。ではなく、ばんぺい君とシーグル
に向かってウインクをしながら
「ありがとうね、うん、とっても良かった」と
感謝の辞を述べる。


その言葉に、ポカンと口をあけている、ばんぺい君とシーグルは
ウルドからの讃辞に、お互いの顔を見詰めてしまった。



*** *** ***


「螢一さんっ? でも、どうしてここへ?」
本当にお散歩だったのかしら?とベルダンディーは尋ねた。
「え?ああ…あははっ うん、皆に助けて貰って、ね」
そう言って、地上を指差した。
不思議に思うベルダンディーは、地上を見下ろした。
そこには、ばんぺい君に肩車されているシーグルと、ヒラヒラと
掌を振って、後ろ姿のウルドがいた。


そうなんだ、皆のおかげさ。
その思いが追い風になって、君に届ける事が出来たんだ。


その風に乗って、俺はここまで来たんだよ。


ベルダンディー 好きだよ」



 君に届けと追い風が。(END)


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


ああっ11月には終わらせようと思ってましたが
私には追い風が足りなかったみたいです(´・ω・`)


取るに足りない物語、これにて終演でゴザイマス。 多謝。