天上界の恋人8.

天上界の恋人8.


「でも、あら・・・何か違和感が・・・」


いくらフレンドリーだとしても、いきなり「おかえり・・・」って
おかしいですわね、とペイオースは思うのだった。
しかし眼前にあるのは、何時もの森里家の面々だし、笑顔で
わたくしを迎えてくれている訳ですが、何か妙な感じがすると
ペイオースはもう一度瞬きをした。しかし何も変わらない。
彼らを疑っている訳ではないのだが、そこで法術を展開して
自身の幻影を残し、空間スライドをして、全体を客観的に見る事に
したのだった。
森里家の母屋の上空から、母屋全体を俯瞰した。


やはり、みんなのティールームがおかしい。
そこだけ空間が遮断されて、別の空間が二重映しで展開している。
まさかウルド達の悪戯?だとして、手の込んだ事ですわね、と
溜息を漏らした。しかし、そこに別の神属の気配を感じずには
いれなかった。
「やはり・・・バルドの・・・」
しかし、どうしてこんな妨害めいた事をするのでしょう、と
ペイオースは頭を抱える。
ここに来ては欲しくない理由が存在する、とでも言いたいのか
そんなトラップがペイオースを待ち受けていたと言う次第だった。


だが、肝心のバルドの姿は見えない。気配は感じるのだが、
どうしても見当たらない。
その代わり、と言っては何だか、小さな神属の姿が見えた。
「まさか!ベルダンディーと森里さんの・・・?」
バルドの話を撒き餌にして、わたくしを釣ろうと言う魂胆だったの
かしら、と訝るペイオースだったが、あのベルダンディーが、
そんな画策をする訳が無いと考え直して、もう一度母屋の玄関先に
戻った。


ごきげんよう
今度は言葉に力を入れた。言霊(スペルブースト)を展開して、
異空間を通り越して、本来の空間まで届くように。
ペイオースは、少し怒っていた。そして、少しの嫉妬心もあった。
ちゃんと問い質さないと、あの小さな神属の子供は誰の子?って。


by belldan Goddess Life.


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ペイオース可愛いよペイオース