夏の夜の…

ここは某国のとある町にある商店街。
夏休みらしく、日中は子供たちが跋扈していた。
「ねぇねぇマリアベルちゃん?」
「なぁに?カレンちゃん」
暑いと言う理由だけで、買い食いをしている女子中学生
な二人は、スクルドご推薦のアイス屋でキャンディを
食していた。
スクルド叔母…じゃなくて、お姉さんのお勧めの店、
ここのアイスってマジで美味しいよねっ!」
「でしょでしょ!スクルド叔母…じゃなくて、姉さんて
アイスの女神さまっだもん!」
「マジ?!」
「大マジ!」
ギャハハハハー!と二人は顔を見合わせて大笑いをする。


そんな折、夏らしい陽気の中にあった町並みが一転して
暗雲垂れ込めて行くのだった。
まさかの夕立…それとも…


「この気配は…」 カレンが身構える。
「まさかの妖気…」 マリアベルが周囲を警戒した。


ふたりの正面に魔属特有の方陣が展開し、小さな魔属が
顔を出して来た。
「ウワハハハー!恐れ入れー!ちびっ子共めー!」
小さいながらも魔属の畏怖を現しながらの登場に、二人は
戦慄…しなかった。


「なんだ…サーたんか…」 マリアベルは詰まらなそうに
言い捨てた。
「ビックリしたよ〜 サーたんなら早く言ってよー」
カレンは苦笑混じりに伝えた。


「何だとー!これならどうだー!」
サーたんは法術を展開し、異形の化物に変化した。

「ウザイ」 マリアベルは一蹴した。
「面白くない、かも?」 カレンはまた苦笑した。


サーたんは、言われて悔しいのか、更なる法術を展開する。
だが、二人にはまったく効果はなかった。


「あんまりシツコイと(存在を)消すわよっ?」
マリアベルは淡々と言う。
「ダメだよーお母さんに怒られちゃうよ?」
カレンはマリアベルを窘めるのだった。


「うっ…」
サーたんは、言葉に詰まる。
「お、覚えておけよ〜!」
そう言うと魔法陣の中へと逃げて行くのであった。


それを上空から見守っていたマーラーは溜息を付いた。
「役者が違う…って事なんだろうか…」
さらに上空から一部始終を見守っていたウルドは
「さすがはアタシの姪だわねっ」と自慢げに胸を張った。


ナイスバディ!ウルド姐さん!(ぉぃ


by belldan Goddess Life.


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夏の夜の…ってヤツ?