映画に行った日。

時々、二人で映画とか観に行ったりもするんだ。


夏の暑い日には、それは最高のご馳走になる空間で二人、まるで
異世界へとトリップするように映画の世界に没頭したりする。
面白い映画も、興味深い映画も、それからとても微妙な作品も
二人だからこそ、それぞれに感性の赴くままに、楽しめる。


「今回の映画・・・ちょっと退屈だった、よね・・・」
「そうでしょうか、私はとても感動しちゃいましたっ」
「へぇ・・・」
「ええ、うふふ・・・」
そう言って俺の掌を握り、帰りましょうかと彼女は云った。


それでも映画の余韻を楽しみたい時は、ちょっと寄り道したりして
余り馴染みのない街頭のカフェへと足を運んでみる。
大きな店のガラス越しから見る街路は、それだけでも不思議と
演出染みているなとか、思ったりもする。
だからガラにもなく、ちょっと気取ったりもする。もちろん、
取って付けた様な感じは否めないのだが。
夏は、彼女が大好きなアールグレイのアイスティを、そして俺は
アイスミントティを頼むんだ。


「螢一さんっ、もし本当に宇宙人がやって来たら、どうします?」
「・・・うん、そうだね『やぁ、こんにちわ』って挨拶するかな」
「本当ですかっ!それはステキですっ」
「・・・うん、あはは・・・」
それは今日観た映画の話なんだけど、彼女が言うと妙に説得力が
あるんだよね。
「本当は彼ら・・・とても臆病なんです・・・だから、そう言ってくれる
方がいると、とても安心すると思うんです」
「へぇ・・・臆病なんだ・・・てっきり俺は侵略とか想像しちゃうけど」
「侵略なんか出来ませんっ だって神さまっに怒られちゃう」
「・・・そう、なんだ・・・」
ベルダンディーは、映画上映前に買って置いたパンフレットを取り
出して、楽しそうに眺めてる。
彼女にとって、宇宙って何なんだろうと考えて見る。
そこには何があるんだろうと、思いを馳せて見る。


やっぱり、愛・・・なのかなぁ。


 映画に行った日。


by belldan Goddess Life.