森里家の暑い夏の日。

「暑いわねぇ・・・」


去年、とある事で入手した簡易型プール、所謂空気で膨らませる例の
お子ちゃまプールを出して水を入れ、これまた氷塊を入れて、一時の
涼を楽しんでいる女神さまっがいた。その姿、一糸乱れぬ・・・ではなく
まったく無防備な姿であった。


全裸である。


褐色の身体に落ちる水滴が日差しを浴びてキラキラと輝くと、そこに
パラダイスが登場したかのような、そんな場所でウルドは手にしてた
華奢なグラスの中にある透き通る色の飲み物で喉を潤すのだった。
地球の重力に対抗するように上を向くたわわに実った果物を彷彿させ
ているウルドの胸が、ブルンと水の上で戯れている。


「姉さんっ!何て格好しているんですかっ!」
妹のベルダンディーの登場である。
「何て格好って・・・?」
「その・・・ちゃんとしてくださいっ」
「ああ、隠せってコトよねぇ・・・でも、ほら!」
そう言ってウルドは、付けていたサングラスをずらしてウインクした。


それを遠く縁側から眺めていた森里螢一は、もちろん覗いていた訳で
はないのだが、こう呟いたのだった。


「自分の目線を隠してどうする・・・」
螢一は頭を抱えるのだった。


森里家の暑い夏の日。


by belldan Goddess Life.