女神さまっの宴 2

さて、宴もたけなわ、と言った所で何やら裏庭の池の方が騒がしい。
もしかしたら、あの二人が池であんな事やこんな事をしているのか、と
ウルドは思い。ペイオースを引き連れて酒の肴、と言うか見物に行こう
としたのだった。
「まさか、ね…」
ウルドは先日、裏庭にプールを作り、全裸のまま避暑をしていたのを
思い起こしていた。まさかあの二人が全裸のままでくんずほずれつ、
だなんて、天変地異が起こっても有り得ない事だわ、と考える。
「な、何ですのっ?!」
ペイオースは事の次第を知らないので、何が起こっているのか分からず
ただウルドの後を着いていくのだった。


神属の気配がする!


ウルドとペイオースは目配せをした。一体こんな時期に誰が、と
想像するのだが、決定的な答えは導き出せなかった。
みんなのティールームの反対側の廊下を抜き足差し足忍び足と進んで
さながら女盗賊か、或いはくノ一か、と言った具合だ。
スクルドの部屋の横をすり抜け、縁側へと足を進め、裏の池の方に
目を移すと…


「ああ、いかん…愛用の斧を落としてしまった…」
そこには左右非対称なワンレンの髪型がとても理知的で、意思の強さを
表しているかのような女神さまっが、池の辺で佇んでいる。
「斧を落として…オーノー!…いかんいかん…」
そして何やら独り言を呟いていた。


「リ、リンド!」
「どうして貴女がここに来ているのですのっ!」


その声に鷹揚に振り向いた聡明で清楚な姿の女神さまっは、
こう述べるのだった。
「ああ、ちょっと通り掛かっただけだが…何か?」
さも当然と言わんばかりに述べるのだった。


ちょっと通り掛っただけ?なんで?それからどうして愛用の斧を池へ?
疑問が疑問を呼び、何一つ答えが見付からないウルドは、ペイオース
に尋ねるのだった。
「あんた…こっちへ来る事を誰かに言ったの?」
「いいえ、これは公式ではありませんから、いわゆる御忍びって事で
こちらに伺いましたのだけど…」
「妙ねぇ…」
もしかしたら、リンドの偽者?だが彼女は明らかに神属のそれだ。


リンドは、何やらこそこそ話をしているウルドとペイオースを見詰め、
ふと、ふたりに伝えるのだった。
「ところで二人は何を?」


「ああ、何って事はないのよ、ちょっと宴会を、ね」
ウルドは述べる。
「宴会?日中にか?」
リンドは訝しがる。
「ちょ、ちょっと違いますわ、そう!相談事を!」
ペイオースは話の矛先を変えようとする。
「相談事?ふたりでか?」
リンドは興味深そうにウルドとペイオースを見詰めるのだった。


女神たちの宴/恋の病は不治の病。


by belldan Goddess Life.


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何気に続くのもデフォ