女神さまっの宴 4

リンドが頬を染める!


その状況を冷静に観測する事など出来なかったペイオースだったが、
気を取り直して状況確認を続けるのだった。彼女が地上に来た理由は
何だったのだろうか。まさか本当にジョークを言うだけの為に降臨した
と言う事は無いだろうとは思うのだが、有り得そうな気もする。
その理由を考えてみたペイオースだった。それは…


リンド自身の渾身のジョークが炸裂したのが嬉しかった、或いは
先程ウルドに言われた「遊びに来た」と言う言葉に反応しただけ、
それとも…


ペイオース。
彼女ほどの理知的な女神さまっは、
天上界に置いても他の追従を許さない存在だ。
冷静沈着、事を置いてはクールで公平性に重きを置くが、他の者への
平等な愛情はまさに彼女の彼女たる由縁であった。
ミステリアスでいて、愛あふれる思いを持った稀有な女神さまっだ。
しかもナイスバディ…プロポーションも抜きん出ている。
言い寄る神属は数え切れないが、しかし彼女は気にも留めないのだ。


それとも…もしかして、リンドは森里さんに会いに来たのでは?と
ペイオースの思考は着地した。
気になるアイツは、ただの人間…それもごくありふれた存在…だけど
わたしたち女神にとっては、かけがえのない存在として、そしてその
象徴としても、彼の存在は大きいものだ。
森里さんは、わたくしにとっても、とても気になる…大きな存在、
そんな事をペイオースが考えている時、ウルドの眉間には皺があった。


ウルドは事の状況を、こんな風に考えていたのだった。


この天然戦闘娘は…まさかの行動に出たって訳だわね、とウルドは
頬を染めてハニカムような仕草をするリンドを見詰めるのだった。
ウルドにとってリンドは、言うなれば盟友なのだが、実の妹である
ベルダンディーの恋仲を邪魔するヤツは、いわゆる敵として認識する
しかなかった。


だが…


だか、しかし、ウルドは恋のキューピッドとしての自身の天命があり
それを阻む者も排除する気概を持ち合わせていた。
ベルダンディーの実姉として、妹の恋仲を邪魔するヤツは許せないが
盟友の淡い恋心を成就させてあげたい、と言った二律背反する命題に、
思わず「うわ〜キツー」と言葉を漏らしてしまった。


「キツイって、何がですの?」
ペイオースはウルドに向かって云うと
「すまない…多分私のジョークの事だと思う…」
と、リンドはすまなさそうに答えるのだった。
「そ、そんな事はないのよっ!あは、あははは…」
ウルドは場を取り繕うとして云うのだった。
「そ、そうですわっ!とても興味深いものがありましてよっ!」
ペイオースもウルドに追従するようにフォローを述べる。


「本当か?」
「ええ、本当よっ」
「勿論ですわっ!」


ふたりの笑顔を交互に見て、リンドは胸を撫で下ろすのだった。


「よかった…これなら森里くんにも…」


女神たちの宴/次回、告白ターイム!?


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


しかし、何を告白するって言うんだい?