女神さまっの宴 5

ええと、つまり…


リンドは偶然と言うか、通りすがっただけではなくて、何と言うか
螢一に会いに来た、と言う事になる。それも、渾身の駄洒落を言いに
である。これではまったく意味が分からない。しかも何やら異変の
匂いも感じる。


恋心の成せる業と言うものなのだろうか、とウルドは考えた。
それにして突飛だ。もしかして、何か裏があるのかも知れない。


ペイオースは事の成り行きを思い返して見た。
ウルドへと連絡をしたのは自分だ。それには何も意味はないのだけど
成り行きで始まったウルドとペイオースのコイバナは、もしかしたら
リンドの思いと交差して、ここに呼び寄せてしまったのかもしれない。
「まさか、ね」ペイオースは呟く。
そうだわ、事の発端は、あのラブラブなバカップルに原因があって
辺り周辺はおろか、天上界までも伝播していったのだとすれば、
何とか合点も行く。


恋の波動…それは何時だって世界を構築するに大切な要因のひとつ。
わたくしにだって、それはありますもの、とペイオースは思い至る。


「とりあえず…森里くんに伝えたい」
リンドは凛とした面持ちで、まっすぐふたりを見詰める。


伝えるって、何を?とウルドは戦慄する。
ペイオースに至っては、こう述べるのが精一杯だった。
「も、もちろん…先程のジョーク…ですわね?」


「肯定だ」
リンドは揺るぎのない態度で、そう答えるのだった。


先程までの陽気が、突然変異して来た。暗雲が空を覆うようにして
他力本願寺の周囲を包み込んで来るのであった。


女神たちの宴/決戦、他力本願寺の変


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


ほぉ〜駄洒落を伝えに来た…それだけなんですかねぇ。


それにしても、今日はワタシの誕生日だったりする。
それなのに、こんな妙な小話を書いている。
無論、着地点なんで気にしてない。
ただ、悔いが残らないよう、リンドを支援するだけだ!(笑)