マリアベルの母の話

マリアベルと楽しい仲間達・・・と言う訳でもない。


現在(どんな現在だ?)中学二年のマリアベルとカレンは、
学校の人気者・・・だと思いたい。
可愛いけど怒ると怖くて、恋人にしたくないナンバーワンとして
君臨しているのだが、それはそれ、これはこれ。
カレンは物静かな雰囲気が一部の男子たちの羨望なのだが、相方が
相方なので、近づけない。


「君子危うきに近寄らず」 と言う訳だ。


危ない・・・とは花の女子中学生に対してとっても失礼千万なのだが
言い得て妙であった。


そのマリアベルが、自身にとって怒らせたくないナンバーワンが
実の母である、女神ベルダンディーだった。
彼女の母の存在、それは大いなる癒しの存在だ。



マリアベルの悪戯が過ぎたある日の事だった。
運悪くと言うか、運良くと言うべきか、母に見付かってしまった。
マリアベルは怒られる、と頭を低くして身を構えたのだが、
一向に叱咤する気配は感じられない。
どうして?と顔を母に向けると、母は涙ぐんでいた。


その瞳の中に、涙があふれて来るのを、ただ、見続けた。


涙の海原に、宇宙が見えるような気がした。
そこにはたくさんの惑星があって、世界があって、それらを全て
包み込んでいるような、母の目に涙の海が存在していた。


もしかして・・・もしかしてアタシの悪戯のせいで世界はママの涙に
沈んじゃうのかしら、とマリアベルは思い、戦慄を感じた。


「ごめんなさいっ ママ・・・アタシ、悪い子でした・・・」


ママを怒らせる・・・悲しませる事は出来ない。


だって、この宇宙が終わってしまうんだもん。


その事をウルド姉さまに伝えてみると、割りとあっさり答えが
帰って来た。
「そりゃあ殊勝な事で・・・本当にあの娘が怒るとね・・・」


その続きはここでは言えない。だって貴方だって終わってほしくは
ないでしょ? この世界を。


マリアベルの母の話。


by belldan Goddess Life.


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怒らせちゃダメだからねっ!