ある日の出来事 3.

思わず飛び出した先は、縁側のある裏庭だった。
ここはいつも季節の彩りを際立たせ、その自然の恵みはとても心地良く
風に運ばれる遠い世界の香りは新鮮で、それでいて懐かしくもあって
ホッと心和ませる空間なのである。
縁側から望む眼前には小さな池がある。マリアベルは池を覗き込んだ。
そこには小さな魚達がいる。いつか縁日で貰って来た金魚だっている。
彼女がまだまた小さな頃に、パパとママ、そしてあたしで行った縁日
だった。
「楽しかったなぁ・・・」
池の水面に映る自分の顔を見ながら、そこを通り過ぎて行く魚達を見て
楽しい世界で遊んでいるんだろうな、とマリアベルは思った。


それに比べあたしは・・・


池面に映る自分の顔、その表情を見て、また泣きそうになる。
パパとママが始めた出会った世界、地上界は、どうしてこんなに
辛い事や苦しい事がたくさんあるんでしょう。
でも、どうして二人は出会ったの?そしてあたしは・・・?
池面にポチャっと小さな魚が跳ね、そこに波紋が出来る。
ほんの先程まで静かだった世界に異音が起こり、波紋が生じたみたい。


それはあたしのせいなの?


悲しくなってくる。
もう、あたしなんて居ないほうが良いかも?
「くすん・・・」


「にゃぁ?」
誰かがあたしを呼んでいる、ような気がする。
誰だろうか?と振り返って見れば・・・
「にゃあ!」
「ネ・・・コ?」
その猫はとても不思議そうにマリアベルの顔を見詰めて、時折首を
傾げて、再び「にゃあ」と鳴いた。


「おいで」とマリアベルは声を掛けると、猫はトテトテと歩み寄り
マリアベルの前まで進んで膝をスリスリと撫でて行くのだった。
「うふっ くすぐったいよぉ・・・お前、どこから来たの?」


猫はしばらくマリアベルの顔を見続け、ふと空を見上げたのだった。


ある日の出来事 3.


by belldan Goddess Life.


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コメント下さった方々へ、コメント感謝です。


>TSUTOMU-CHANさん
 コメントありがとうです。
「チッチとサリー」でしたっけ・・・うろ覚えですが(苦笑)
内容はあんまり存じてないのですが、確か女子学生の間でヒットして
いたような記憶が・・・って、何時の時代だろうと小一時間。
何気ないマリアベルの他愛のない日常世界、暇潰しにでもなれば、と
書き綴って行きたいところです。

>IPSILONさん
 コメントありがとうです。
フリーダム遺伝子・・・それはきっと天上界の方々が一番ご存知かと。
ウルド「な、何よ!し、知らないわよっ!」
スクルド「はぁ?何でアタシに聞くわけ?」
ペイオース「ま、まぁ・・・いわゆる淑女の嗜みって・・・あら?」
リンド「うむ、実に頼もしいでわないか!」

>リューガさん
 コメント・・・と言うか愛の告白、ありがとうです(笑)
えーと、どこかで反映させて見たいと考えてます・・・おやこんな時間に
誰g(ry