2月の朝 その3

そう言えば…


そう、以前夢の中で猫に甘噛みされたんだけどさ、それって何か
意味あるんじゃないかなーって思ってたんだよな。
俺の目の前ではちょっと涙目になっている可愛い女神さまっがいて
本来はそんな意味ではないとは思うのだけど、かなり俺を困らせて
いるんだ。
つまり…そう、以前の夢は実現したって事にはならないか?


そんな事を考えている螢一を見詰めながらウルドは、事の成り行きを
黙って見守っていた。と言うか、ニヤニヤしながら傍観していたって
事なんだが、それでもこの泥試合めいた寸劇を、どのタイミングで
止めようかと考えていた。


甘噛みかぁ…そいつは甘美なセリフだよなぁ、と螢一は思っていた。
ちょっと痛いけれど、何だか甘えてくれるって感じが実に良いよな。
現実でもそうなったら…良いかも?だなんて…


螢一の表情が困惑から逃れようとして妄想状態に突入しようとした時
ウルドのジャッジメントが入るのだった。


「そこまでよっ!ふたりとも!」
そろそろスクルドが来るかもしれないし、事態が急変しないうちに
手を打たないとね、とウルドは考えるのだった。


「姉さん…」
ベルダンディーはウルドを真摯に見詰めた。
「ウルド…」
螢一は事態の一掃に安堵を覚えるのだったが、ちょっと不満でもある。
「ケーイチもケーイチだわっ あんたもちゃんと誠意を見せる事ねっ」
「誠意って…」
「そんなもの、決まっているわよっ 愛の言葉よっ!」
「そ、それは…」
「ええい!めんどくさい!良い事?今日中にレポートを提出するのよ」
それからベルダンディーに対しても、
ベルダンディーもちゃんと伝えなさいねっ レポートはいいから」
ウルドはそう告げて、みんなのティールームを後にしたのだった。


2月の朝 その3


by belldan Goddess Life.


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何気に書いているとこうなります(悪い例)