リア充なふたり

休日の日、特に何もする事が無いのでTVでも、と思って
止めた。
あのくらだないバラエティ番組ってのが観てても面白くない。
その代わりに海外のバイクレースとか放送してくれれば良いのに。
そんな愚痴を言っても詮無き事だとは分かっているけれど。


そんな訳で以前買い置きしていたプラモデルでも製作しようと
棚に置いてあったザクの箱に手を伸ばした。すると…
「あれ?軽いよ?」
そしてガサガサと微かな音がする。おもむろに箱を開けると
そこには設計図しか入ってなかった。
「あれ?俺…前に作ったのかな?」
そう思い、棚の周囲を見渡してみるが、ザクの姿は無い。


訝しげに思う。きっとそうだ、これはスクルドの仕業に違いない。
だが待てよ、そんな風にスクルドを一方的に疑うのは宜しくない。
だがしかし、最近、ばんぺい君のアタッチメントがザクっぽく
なっているような気もする。
オリーブ色の腕とか、必要あるのかな?肩の甲冑とか。
あと、排気ダクトとかもあったり…気のせいかな?
それにしても設計図だけ残してパーツを持って行く所なんぞ、
ますますスクルドらしいぞ。


ここはアレか?一目散にスクルドの部屋に向かい
「お、俺のザクをかえせー!」
とか言うべきなのだろうか。
いやいやそんな事はあり得ないな。


だって俺は大人だもんな。


フッと笑う。


ドヤ顔だった。



それにしても、ちょっと暇を持て余す。
そうだ、ベルダンディーにお茶でも淹れてもらおう。
そういう訳で台所へと向かったのだが、あいにく彼女は居ない。
居間にでもいるのかな、とおもむろに襖を開けた。


「きゃ!」
ベルダンディーは着替え中だった。
「け、螢一さんっ!?」
「あ…ごめん」
とっさに襖を閉めたのだが、あれ?おかしいな?
彼女たち女神さまっは、そんな人間らしい着替えなんぞ
していたのかな?


なんだかバツが悪いので、自室へと戻る螢一だった。



俺のザクをかえせー。



by belldan Goddess Life.



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いろいろ言いたい事もあるが、このへんで。