設定その他

と、言う訳で当初ベルダンディー達は、その容姿を原子レベルで
再構築しながら、この三次元に滞在していた訳です。


しかし最近は、この原子レベルでの再構築ってものが忘れ去られて
ごくごく自然に彼女達は三次元に滞在しているように描かれていて
これはどこかで何かが決定的に変わったのでは、と考えれられる訳
です。



最初、天上界の『お助け女神事務所』に電話のコールが鳴り響いて
それが人間界に暮らす、森里螢一なる男性からの物だったのですが
それを受け、天上界からの任で、地上界へと赴いた女神さまっは
人の形を取ったのでした。


しかし、当初はいわゆる、間に合わせ、とでも言える造形で、細部
に至っては何も手を施してはいなかったのです。


普段なら、と言いますか、地上界からの願い事の多くは、ミクロ的な
願い事が圧倒的だったので、少しの時間、人型の造形を取って、
その当事者に会い、可及的速やかに願い事を成就すれば良かった。
だが、彼は、彼の願い事は違っていた。


「君のような女神さまっに、ずっとそばにいてほしい」



これは言うなれば時間空間を超越したマクロ的な願い事であり、
天上界でさえ、古今東西聞いた事の無いようなものだったのです。
そこで慌てた女神さまっは、天上界へ事の次第を報告するのですが
これがあっけなく受理されてしまう。


この時、天上界では賛否両論あったのですが、新しい文明実験として
見守ろうと、決断を下したのでした。



しかし、彼女たち女神さまっは、原子レベルで再構築しなくては
この世界に留まれず、色んな事件を起こしてしまう訳で、その事自体
が、ふたりの愛の試練とも言えた、と言えるでしょう。


さて、その女神ベルダンディーですが、当初はまさにお人形のような
造形でしかなくて、いわゆる人間の女性としての機能等はありません
でしたが、事件の経過、そして地上界の経験地を積んで、原子レベル
での再構築は、より一層精密になるのでした。
さらに、そこから生まれた感情は、まさに人間の女性そのものとして
彼女の感情領域に大いに影響を与える事になりました。


育まれて来たのは、ふたりの恋愛だけではなく、こうした原因も
あったと言う事を付け加えて置きたいです。


*** *** ***


「そう言う訳なのよ」
ウルドは意味深に螢一を見詰めた。
「…そう言う訳って言われても」
螢一は困惑気味だ。
「要するに、できちゃうって事なのよ!」
ウルドはより一層に言葉に艶を持たせた。


「……って!」



by belldan Goddess Life.