ああっ女神さまっ+

誰もいない冬のある日に彼女はひとり、校庭に立っていた。
北風になびくプラチナと金色の混じった長い髪はまるで
野生の猛獣の王のような威厳と気品を醸し出しているよう。
遠くを見据えるその瞳は、一体何を見ているのだろう。
時折雲が太陽を覆い、そして途切れ光が姿を現して、そこに
光の輪郭の方陣が浮かび上がる。彼女はその中心に立ってる。
勝気な瞳、口角を上げ不敵な微笑みは誰に向けられるのか。


一陣の風が舞う校庭に、ひとり立つ。
「あたし、やるわっ!」
気合を込めて、自身の両頬を叩く。
「いたーい!」
当たり前である。
「くぅー がんばれあたし!」


「何やってんだか…」
校舎の影から、その姿を見続ける者がいた。
冬だと言うのに褐色の肌をあらわに露出した衣装を纏い
銀髪の髪をきれいに纏めた女性は、溜息を付きつつ
「それにしても、一体誰に似たんだか…」
と、苦笑交じりに呟いたのだった。



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第三話「マリアベル校庭に立つ?」



それはともかくとして、おじさんに頼まれたと言っても、さ。
初対面の女の子の面倒を見るなんて、俺に出来る筈だと
思うのが間違ってると思うだけど。
川西のおじさん、俺が聖鈴学園高等部に所属しているって、
それだけで「それも縁あり」だと言っていたけど。



そもそも「縁って何だ?」


それはともかくとして、とりあえず新学期が始まると同時に
その娘が転入してくると言う。それで学園生活のフォローを
命じられたって訳だけど、俺が今、一番気になるのは、
その娘が一体どんな女の子かって事だ。
スクルドおばさんの姪っ子だと聞いている。
おばさんはちょっと怖いけど、とても美人だし、似ていると
良いのにな〜だなんて思ったりもする。


あ、でも性格の方だけ似ているってのはカンベンな。


それはともかくとして、今日はおじさん家に行く約束だ。
何でもお披露目ってヤツらしい。と言うか彼女の歓迎会、
だそうだ。


「とりあえず、行くしか」
ないよな、と俺は独り言を言うのだった。



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by belldan Goddess Life.


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第四話「俺が、俺たちがガン○ムだー?」