ああっ女神さまっ+

不思議な事で、シリアスになればなるほど
何だかどうでも良くなってしまうのは
何故だろう。
「覚悟はあるのか?」と問われれば、
あるような無いようなそんな感覚になって
しまう。なので「まぁどうでもよいか」と
つい、呟いてしまう自分がいるのだが。


学校からの帰り道、いつもの道をいつもの
ように歩いて帰る。
それはごくありふれた日常のひとコマなの
だけど、頭の中にモヤモヤとしたモンダイ
のような悩み…なんだかおかしな表現に
なってしまうのだが、でもまぁ、ありてい
に言えば”悩み”かな?と。
所詮、一介の男子高校生としては、割と
ヘヴィな悩みかもしれないのだが、そこは
それ、普段の日常ってヤツが微妙に相殺
してくださって、不思議な事にシリアスに
なればなるほど何だかどうでも良くなって
しまう。


「元に戻った!」


思考の迷宮と言うか迷子と言うか。
苦笑交じりにユウは呟くのだった。



「ちょいとそこの優柔不断クン!」
彼の後ろからキレイなソプラノがかなりの
フォルテッシモで響き渡る。
聞き覚えのある声だった。
「マリアベルの声が聞こえないなんて!」
なんて不幸な男の子かしら?と声は続く。


ああっ やっぱり彼女だ。


「…ナンだい?」彼は振り向く。
そして彼女の姿を確認する。


「なんて不幸そうな男の子かしら?!」
マリアベルはマジメに言った後、クスクス
と笑った。


不幸なのはともかくとして、優柔不断って
どういう意味だい?と訝しむ。


「ユウ君のユは優柔不断のユだねっ」
「後付の無意味な言葉は止めてくれ」
「でもホントなんだもんね!」
「うう…あんまり否定出来ないのが辛い」


帰り道、西の空が茜色に染まる。
やがてその色は葡萄色になり、空の彼方に
星の明かりがひとつ瞬いた。



by belldan Goddess Life.


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猛暑です。熱中症とか色々、何とか乗り
きって…いきたいですっ。
毎回コメントありがとうございますっ!