ああっ女神さまっ+

街路に灯りが灯ろうとする、少し前の時間
時折重なったり離れたりする二人の影法師は
そのまま宵闇に吸い込まれて行くようだった。


思い詰めたような表情をしていた彼女は
意を決したように
「ワタシね、実は乗り越えたいヒトがいるの」
そう言って神妙な面持ちになった。
いつもの彼女じゃない事に、そんなに違和感を
感じなかったのは不思議だった。


「ううん…ライバルって言った方がいいかも」
ユウの方を見ると少し照れ笑いをした。


乗り越えたいライバルがいるって事かと、
彼は考える。とは言っても彼女の言葉を
そのまま繋げただけなのだが。
いつも天上天下唯我独尊的な彼女のことを
知っている身としては、意外と言うか
青天の霹靂と言うか。


「ライバルって…学園の中に?」
「違うわ」
マリアベルは遥か遠く、空へと目線を向ける。


「本当を言うとね、適わないなって思うんだ。
だけどね、乗り越えなきゃって感じるの」
「そうなんだ」
「だけどね、ひとりじゃダメなんだ」
「そうなんだ」
「ちゃんと聞いてるの?!」
「聞いているよ」


マリアベルはユウの正面に向き直し、それは
とても真摯な態度でこう告げた。


「だったら!…だったらワタシのパートナー
になってよっ!」



えっ?


ナニヲイイダスンデスカコノヒトハ?
俺とパートナーになれってそれっていわゆる
”ボクの魔法少女になってよ!”的な感覚
なの?だとか、スポーツで勝負ってそれは
あんまり運動神経に自信がないのでヤバイ
とか、あと俺、絵心とかアリマセンヨとか
起業して大儲けとか無理だから!、とか
自分でもナニが言いたいのかさっぱり分から
ないのだけど、とコンマ2秒で考えたが、
それでも分からん。


「ええっー?」


もしかして…これが「覚悟」って言うヤツ?



by belldan Goddess Life.



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いつもコメントありがとうございますっ!
話が見えてこないのがここでの嗜み…(汗
何とかこの話をエンディングに持って行こう
とする努力だけがモチベーション(笑