ある日の空ちゃん END

もしかして…白馬の王子様っ?それともテニスの王子様って
これは別の話か、いやいや、平行世界を冒険する勇者とか、
ってこれって中二病全快じゃないですかー!
そんな思いを起こすドンピシャなタイミングでドアは開く。


うっ、逆光でシルエットしか見えないじゃないの、ああん
もうっ!ちゃんと見せてよ、と空ちゃんは思った。


「ああん?なんだ…長谷川かぁ」
「何だってー!長谷川かー」


ああ、なんでこうなるのかなー、そのシルエットはまさに
異形の邪神って言うか、魔界の長達って言うか、まあ、
先輩なんだけどね、大男の。


「悪かったですねー長谷川で」
プイと横を向いてやった。いくら先輩でも酷過ぎですもん。


「良いにおいがしたもんでなぁ、てっきり…」
「おう、てっきり…」
大男が声を揃えて言う。


てっきり何ですか?何が言いたいんですか?
てっきりって…てっちりのようにも聞こえちゃうんですが
それって何の意味あるんですか?と、ちょっと錯乱状態に
陥りそうなのを必死に修正して
「誰がいると思ったんですか?先輩方」
ここは大人の女性らしく振舞うべきだと頑張った。


「あ、うん…森里達が、いるのだな?と」
「そうだ、そう思ってだな」


ええ?それってつまり…あたしの淹れた紅茶の香りが
ベルダンディー先輩のと同じ…って事なの?
いいや、それはあるまい、ここで天狗になっても後が
怖いのが自動車部なのだ。
気を取り直して「残念でした、あたしでした」と言った。


さらに


「べ、別にあんたたちの為に淹れたんじゃないんだからね
あたしの為に淹れたんだからねっ」
ツンデレを意識して言葉を綴ったのだが、これが
何だかツンデレっぽくないし。


「何だとー!俺たちの分はないだとー!」
「なにー!断固講義するぞー!」
とか訳のわからない事を言う先輩達だった。


その時、また部室のドアが…


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


無限ループのような感じで次々ドアが…って展開の
小話でした、ってのがオチのようなオチてないような。
続きはウエブでね、と言う感じの続きも書きましたが、
あえて載せないのがここでのスパイスだ。
あ、エッセンスか? あれ?エスプリ?何だっけ?
まぁいいか。
そんな事より原作終わったら淋しいなぁ、と思って
います。
そしてそんな事より、長きに渡って連載されていた
その御尽力に感動します。感謝してます。


奇跡のような漫画「ああっ女神さまっ」に出会えて
本当に良かったな。