深夜アニメ

「マリアベル〜もう寝なさいな〜」
「わー!ちょ、ちょっと待ってーあと少しだから」
深夜にアニメ、それは日本の定番だ。
そんなこんなで、ほのぼの日常ギャグアニメを心待ちに
していた彼女、録画機能とか付いていれば良いのだが、
いかんせん、そこは台所事情ってもんがある。
それに、やはり何事もリアルタイム、同時性ってヤツは
心躍らせるものなのだから。


深夜アニメ 仮題「ジムの事務日記」


新入社員のジムくんは、割とポンコツなので、いつも
ヘマばかりしている。
それをそっと見守るのが上司でもあるドム女史だった。
いつも黒いスカートをさっそうと靡かせて歩く姿は
社内でも評判だった。エロくて。


だが、本年度入った新入社員の女子に強敵が現るっ!


ほんわりまるくて可愛いピチピチの18歳!
その名もアガーイさんだった。
当然、女同士の熾烈な戦いが始まるのは火を見るより
明らかなのは言うまでも無い。


『熾烈っ!ドムさんVSアガーイさん』の巻。



いろいろあって終わり。 以上。


何て言うか四コマ漫画風に書いてみたいなーって感じで、
書き出した所、だんだんそれすらも忘れて脱線していて
もはやこれまで、と言った所です。


なのに、また ↓



   仮題「ジムの事務日記」その2


現役だった頃は後方支援とかで、あんまり前線に出なかった
彼は、
思う所があって、現仕事(事務職)をやめ、転職しようと
試みていたのだが…。
「あんまり合う仕事ってないなぁ」
そんな事を考えて商店街をぶらぶらしていたら、旧知の
姿を見たのだった。
「あれ、もしかして…ボールくんじゃないかな?」
商店街の一角に半坪ほどの店を構え、と言うかどこかの店先
を借りて商売しているボールくんを発見したのだった。


「たこ…焼き?」
彼の頭部、以前は武器があった場所には拡声器が設えてあり
そこからは「ボールのボール焼き〜」とかダミ声が聞こえて
来る。
よく見ると彼、何やらたこ焼きのような塗装をしており、
何だかとても美味しそうに見えた。
「た、たこ焼き迷彩か…」
や、やるな…あいつ。たしか前線では、棺おけとか揶揄さ
れている時もあったようだが、だが、今の彼を見て、
そんな事を言うやつは居ないだろう。と思いたい。


「よ、よう、久しぶり」 声を掛けてみた。
「いらっしゃ〜い、ってあれ?おまえ…」
「覚えてるか?」
「客じゃないな…だったら帰れ」
「えー」
「ウソだよ」
そんな他愛も無い挨拶をして、彼が現在に至った過程を
それとなく聞いてみた。
無論、自身の転職の為にである。


彼は元軍人、そしてとてもマッチョな体育会系である。
割とオラオラで、そして気さくなやつだった。
退役後は、どこでどうしていたのやらあまり話をして
くれなかったが、とある筋から縁日の屋台を任されたのが
今に至るきっかけとなったらしい。
「そこの親方…じゃねぇ、社長がさ、店を持たねぇかって
言ってくれたんだ」
「そうなんだ」
「そりゃあオレだって苦労はしたんだ、だがよ、天はオレを
見放さなかったって所だな」
「そうなんだ」
「でよ、何も上手く行かなかった時に、オレは祈ったんだ」
「そうなんだ」
「ああ、祈ったさ…女神にな」
「女神か…」
「お前もそうすりゃあ、何とかなるってもんよ」
「そうか」
「おう」


そんな感じでまた再会を約束して別れた。


女神か…うん、女神だな。
上手く転職ができますように、と祈ると
どうしてもマチルダ中尉の顔が浮かび上がる。
確かにあの方は女神のようであった。
チルダ中尉には注意せよ、とか仲間同士の符丁もあって
まぁ意味は、あんまりご執心になると後が怖いって感じ
なのだけど。
ぶっちゃけ、怒ったら怖かったもんな。


何だか雑念が沸いて来て上手に祈れない。
まるでこれを書いている者のようだ。


ちなみに「祈る」と「折れる」は似ている。


うん、折れそう。