森里家の日常

アイスクリームは淑女の嗜み。


「ふふふのふ〜」
とってもご機嫌なノルン姉妹の末娘スクルド
目の前にある、大好きなお姉さまが作った、それは
それはとても大好きなアイスクリームの山を見て
ニヤケ顔が止まらないのだった。
「これは何て言う食べ物かな〜うふふのふ〜」
ええ、それはパフェって言うんですよ娘さん。
これでもか、と盛り付けたアイスクリームをさらに
ゴージャスにしたような佇まいは、さながらアイスの
お城、といった感じだ。
もしここに住める資格があるのなら、それはあたし!
そう、あたしだけ!
お姫様もかくありき、と言っても言い過ぎではないと
断言できるわー、とご満悦のスクルドだった。


しかし喜びは束の間。


そう、この荘厳なお城を自ら瓦解させなくてはならない。
「うっ…そうなのよね…」
しかし花より団子とは良く言ったもので、乙女の食欲は
そしてそれが大好きなスイーツなら瓦解もやむなし、と
心を鬼にして、スプーンを取り出すのだった。



「…気持ち悪いわねぇ相変わらず」
良く言えばコロコロと変わる表情は愛らしいのだが、
ニヤケ顔からドヤ顔まで百面相を呈している我が妹の
あさましい姿を見てウルドは溜息をつく。


「気持ち悪いってなによっ!」
「あんたのこと」
「ウ、ウルドだってお酒を前にしたら変な顔するもん!」
「あたしはしない」
「してる!」
「いいや、してない」
「あ、あんな所に『銘酒 男坂』が!」
「え?なんだってー!」
「ほぅら、今の顔、実に変だったわー」
「なん…だと?」


そんな感じの森里家の日常。


by belldan Goddess Life.


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あー書いてて楽しいわー。