森里家の日常2

森里螢一の憂鬱


「さて、と」
さてさてさて、と困ったもんだな。螢一は溜息をつく。
女神たちの祝福により、最愛の彼女と婚姻と相成った
訳だが、しかし依然問題は山積みだ。
そのひとつが卒業の件だ。彼はすでに5回生で、本年度
卒業しなければまた留年、それは生計を立てていかなければ
ならない二人の将来への危惧に発展する。


結婚即離婚。そんな杞憂が出て来てもおかしくない。
「甲斐性なし!」そんな罵りの言葉が彼女の口から
出る事はあり得ないかもしれないが、あり得るかも
しれない、と悶々とする螢一だった。


「まずは卒論を、だな」
とは言うものの、あんな事やこんな事があったので
まったく着手出来てない散々な現状は如何ともし難い。
そこで一計を考案した。
そう女神である彼女の法術を行使しての解決だ。



「ダメですよ、螢一さんっ」
「…だよね」
「そうです、ちゃんとご自分で解決してこその行為が
その後のご自身を形成するのは言うまでもありませんが、
それが螢一さんの力となり知恵となる、そんな事を思う
と私のお手伝いがむしろ邪魔なのではと考えてしまい、
ねぇ螢一さんっ? むしろ私、邪魔ではないですか?」


あれ?なぜに涙目?どうして彼女は自分を責めているの?


「そ、そんな事はないよ!神に誓ってないよっ!」
と螢一は女神に言う。
「そうだね、ベルダンディーの云う通りだ。俺が自分で
解決しなきゃ何も始まらないよ」


「螢一さんっ…」
ベルダンディー…」





「話は聞かせてもらったわ」
「そうよ〜そんな問題はあたしにかかれば…」


森里家のマッチポンプとトラブルメーカーの登場である。



つづく。



by belldan Goddess Life.



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ホントはね、最終回を迎えた原作の余韻があって、
それにすっぽりと浸っていたかったのね。
だけどね、ささやくのよ、ごーすとが。