森里家の日常10

「いつも楽しそう…」


そんな感じで姉であるベルダンディーが台所で家事を
している姿を見詰めて溜息をもらす三女は、今日は
何だかやる気を出しているようだ。


お姉さまがあんなに楽しそうにしているって事は、
きっとわたしも楽しいに違いないわっ、と意気込んで
台所へと赴いたのは良いのだが、いかんせんそれは
食事が終わった時刻であった。


「あらスクルド、お手伝いしてくれるの?」
「あ、うん…ええ!お手伝いするわっ!」


と言う訳で後片付けをする事となる。


使い終わった食器類がシンクの中で綺麗になる事を
今か今かと待ち侘びている流しの前に立った彼女は
「ここで敵前逃亡は重罪なのよ!」と獅子奮迅する
のだが、何をどうして良いのやら皆目検討も付かない。


ベルダンディーは「こうして、こうするのよ」と
優しく指南してくれるのだが、彼女にとってそれは
指南と言うよりも、至難とも言えた。


なんて事!こんなミラクルをわたしに…


できるかしら?いいえ、出来るかしらじゃなくて
やるのよスクルド!と鼓舞するスクルドであった。


「じゃあ、お願いね」
笑顔で台所を後にする彼女の姉。
「うん、任せて!」
力強くガッツポーズを見せる妹。



今、あたしは前線にいる。
そう、ここは戦場なのよねっ。
幾多の万難を排してこその幸福感、それが楽しさって
もんよ!わかるわー、そしてあたしなら出来る!



いろいろ間違ってますが、それが森里家の日常。


by belldan Goddess Life.


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洗い物ってマジでめんどくさいのよねー。