森里家の日常13

「あら?」



買い物に行こうとした所、愛用の自転車の調子が
良くない事に気が付いた。ペダルが空回りする。
これは天の配慮?それとも…


「あれ?どうしたの?」
「螢一さんっ、それが…」


自転車のサドルに手を置き、途方に暮れている私を
見て、それから自転車を見詰める彼は。


「ああ、チェーンが外れているんだな」
原因を見つけ、そしてちょっと申し訳なそうに
「ごめんね、もっと早く気が付けば良かったな」
ちょっと待ってて、と言って納屋へと向う彼。


それから彼はとても手際良く外れていたチェーンを
直し、調整する。


「できたよ」
「まあ!」
嬉しくてつい、彼の手をとった。
「ああ…チェーンの錆とかオイルで汚れてるのに」
「ふふ…だったら螢一さんっと同じです」
ほら、と私は手のひらを見せた。


同じように手を汚して笑う二人だった。



「相変わらずラブラブだわねぇ」
「ホントそれ!」
「あら?スクルドだって仙太郎君と?」
「いわないで」
「言っちゃダメなんだ」
「そうよ!」


「ふぅん…」



私がいて、螢一さんっが居て、そして姉さん達がいる。
それが私達の今の生活、そしてそれが家族って事なの。


「家族?」
「そう、家族」
「神属とか、同じ?」
「親族?そうかも?」



そんな感じの森里家の日常。


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


絆。