そんな帰り道

「じゃあ、行ってくるわね!」


そう言い残すとマリアベルちゃんは行ってしまった。
いつもの通学路、その帰り道で急に何かを思い出した
彼女は「忘れてた!」とウルドさんとの約束を
思い出したのだった。
いつも同じように登校して、同じように下校しての
ルーティンは、そう悪くはないと思うのだけど、
マリアベルちゃんにしたら、ちょっと物足りないかも
とか思うと、何だか淋しくなるなぁ。


「ちょっと女子力を上げてくるから!」
とか何とか言ってたけど、彼女が本気出したら、この
銀河最強なのは誰でも知っているのだけどねぇ。



で。


そんな時にコレなのよ。


「あ、雨…」



もちろん用意周到な私なのですもの、折り畳みの傘を
ちゃんと用意して…
「あ…ない?」
まさかの雨、そしてこんな時に限ってゲリラ豪雨とか、
有り得ないわ。
取り合えず、軒下に逃げ込んだのだけど、こんな雨量
なのだから、道路に叩き付けられた雨が跳ね返って
私のスカートとかずぶ濡れよ!


「あ〜あ…」
ついてないなぁ、と思ってたのね。そしたら。


「カレン!」
「え?お父さん?」どうして?
「うん、ママがな、雨が降るからって」
ほら、と言って私の傘を差し出して
「忘れてただろ?」


「うん…ありがと」
でもね、私ね、今はね…
「うおっと!」
「相合傘したい!」
「うん、いいよ」


そんな帰り道。


なんだか小さい頃を思い出しちゃった。


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


カレン可愛いよカレン。