2009-01-01から1年間の記事一覧

女神と猫と日常と

この春、猫実商店街の路地裏にもたくさんの子猫が生まれた。 母猫に見守られながら、すくすくと育つ様を、たくさんの仲間達が 陰になり日向になり助けているのだった。 そして、 その様相を何時の日も見詰めていた、とある女神さまっがいる事を。 その女神さ…

五月晴れ

「ツイてないなぁ」 久々に出掛けた街並みで、そぞろ降る雨に足を取られてしまって 軒先で立ち往生している俺は、低く垂れ込める空を見上げて 溜息を漏らした。 春から夏へと季節は巡って行くのだが、今はまだその中間地点で これからの事を思う。果てし無く…

当てているの

「ふぅ〜」と溜息と付く。 資料にと探していた自室で、てんわやんわの捜索隊である自分は 何とか目的の物を発見し、安堵の溜息を付いた言う訳だ。 古いバイク雑誌は、埃の臭いがして、ちょっと懐かしさも感じるのだが 如何せんセピア色をしている記事とか写…

五月雨

五月雨 水色に染まる風景 湧き水のせせらぎ 揺れる枝葉 閑散とした空間 緩やかに呼吸する大地 曇天 静まり返った世界 雨のリズム 自然のリズム 世界はまるで リセットされるようで やがて 白んでくる空に 小鳥達も感応して 声 音色 響き渡る 雨上がりの空へ …

皐風

屋根より高い こいのぼり・・・ 都会の片隅、小さな路地裏を通って行くと 不思議な空間が在る。 ぽっかり空いた空間、まるで時代から世界から取り残された そんな空き地が在った。 小さな生き物達が憩う場所、それとも異世界の住人が通り道 として使用する場所…

ふたりのシンフォニー

彼女は歌が好き いつもの商店街で いつもの河川敷で 新しいメロディーを見つけては 楽しそうに口ずさんでいる きっと彼女のすべてはシンフォニーで出来てる 「楽しそうだね」 「ええっ とっても」 言葉を紡ぐように 音も紡ぎ合わせて 小さな刺繍が出来ました…

君を見守る 蒼い鳥

「あなたは、神を信じますか?」 「え? あ、はい…信じてますが」 午後の渋谷の駅前交差点は、さすがの人でごった返していて 忠犬ハチ公前辺りには、人を待つ姿がかなり居た。 その中に、一際異彩を放つ姿があり、何と言うか渋谷の街並みから ひどく浮いてる…

春雨

この季節、時折降る雨は悪くないと思う。 だってほら、雨のしずくがキラキラと輝いていると思わない? 思い出しかのように降り注ぐ雨に、足をとられて雨宿りして 雨雲の空と、それから少し明るい空のコントラストが不思議な 気持ちにさせてくれる。 「恋でも…

女神たちが謳うとき

鳥よ鳥よ 空高く羽ばたいて 弧を描く 飛行線なぞりながら どこまでもどこまでも舞上がる その小さな声 耳澄ませて 呼び合う声 紡ぎ合うて 囁く声に 胸高鳴りて つむじ風 くるりと円を描き 真空地帯に 形が出来た それは何 それは思い それとも 何時だったか …

季節は時を刻んで

君の声 君の歌は 天上の奏でる水晶の響き 君は音楽 君は風に乗って届けられる 季節の息吹 春 それは なんでこうも騒がしい それは 「それはきっと、生命の躍動感なんですよ」 と 微笑みながら君は言う。 ああ、そうか 季節は時を刻むんだよな 「ふふっ」 嬉…

春の香りに誘われて

4月ですね。 新年度の始まりです。 そんな訳で、色々と・・・ 更新停滞...orz ちょっとテーマとか、頭のクリーンアップとかしたいと。 休憩時間はネットよりも、本とか読んだり音楽聴いたり。 その内それも飽きて更新するでしょう(苦笑) 「ちょっと一休みね」 …

なぞの転校生

「じゃあ、これでサヨナラね…意外と楽しかったわぁ」 「そ、そんな…ウルドさんっ!」 じゃあねバイバイと手をヒラヒラさせながら男に背を向け歩き出す。 その後姿は、まさに絢爛豪華、白と黒の羽が宙を舞う。 後ろ髪を引かせる…まさに天性の美貌と魅力を持っ…

なぞの転校

カレンがそのお方の下へと行っている最中に、マリアベルは また別の事を考えていた。 そもそも…このゲームをウルド姉さまに渡したのは誰なの?… 「はぁはぁ…あの、ベルダンディーさんは居ますか?」 みんなのティールームの前に立ち、中の様子を伺うカレン。…

なぞの転

ゲームに興じているウルド姉さまと、なぞの転校生…この間にどんな 秘密があると云うのかしら… 「で、でも…どうやって解決するの?マリアベルちゃん…」 カレンは恐る恐るマリアベルに尋ねる。 「話は簡単だわっ! さあ行くわよっ!」 マリアベルは法術を展開…

3月の風景

ふぅ…風邪なのか花粉症なのか分からんが、とにかく頭痛が酷いヨ。 朝起きて、そう言えば深夜にひどい寝汗をかいて何度も起きた事を 思い出した。 「へーくしょん!」とくしゃみを2回程して、こりゃ完全に逝ったなと 思ったのよ。 布団のそばには昨夜着替え…

なぞの

ありがとうございまーす。 と言う訳で、R-STYLE らりおかさん家からお持ち帰り… そんでもって、聖鈴学園中等部のアイドルふたりのイメージは これにて固定しようと思います。 妙な知略を巡らしながら、窓の外を見据える若き戦略家(笑)と その後の展開を考え…

ホワイトディの贈り物

それは昨日の事、そう3月14日… 螢一さんっから頂いたステキなハーブティと一緒に、ある綴り券が あったのです。 「わぁ、ありがとうございますっ 螢一さんっ」 私はそう言って、照れくさそうに笑う彼を見詰めながら とても幸福な気持ちになったのは、言う…

ハーブ・ティ

どうしよう、チョコのお返し… と言う訳で、森里螢一は悩みに悩んでいた。 とりあえず気の利いた店へと向かったのだが、どうにもこうにも 何を選んだら正解なのか、分からない。 洋服、アクセサリー、可愛い小物、どれも良くて、どれでも良くて 「こういった…

なぞ

空間移動をする時って、色んな世界が見え隠れしているんだね。 「さぁ〜着いたよ カレンちゃん」 「うん…って、あれ?ここって…」 マリアベルとカレンが着いた場所、それは森里家の母屋の前だった。 ふたりは縁側から廊下を回って、ウルドの部屋まで行く。 …

Spring bloom.

モノクロームの世界に生まれた ふたりの記憶は 季節が変わる毎に色彩を帯びて 巡り合うんだよ 出会いと別れ 繰り返し繰り返しながら ふたり 出会う度に重なって行く 不思議なチカラ come into the bloom... 花咲いて。 Spring bloom. by r-style イラスト、…

そして次の日。 「はぁ〜」 聖鈴学園、中等部のあるクラスの窓側後方二番目の机につっぷして マリアベルは溜息を付く。 昨日マーちゃんに聞いても分からなかった…後、誰に尋ねたら良いの? 魔界のヒルドさんに聞こうかしら?でも、ねぇ… 「どーしたの?マリ…

煮詰めてハニー

話が煮詰まったと言うか、書き出せない・・・ でもまぁ、これは日常茶飯事だし、気にする事じゃない。 問題は、別の所にあってだな…まあそれも気にしない。 思えば2月3月って、何とも妙な気分で作文するとか有り得ない のではないかと思うんだ。 個人的にだが…

・・・

「ウ、ウルド姉さまっ! このゲームって…!?」 何度も問い正したが、ウルドは空虚を彷徨っているような虚ろな瞳で ぼんやりと頷いているばかりであった。 それから思い出しかのようにモニターを見るなり、コントローラーを 手にして、操作を始め出した。 こ…

な・・・

ここで登場人物の紹介を。 マリアベル:女神と人との間に生まれた女の子。天真爛漫、快刀乱麻 戦略家だが、分析力は稚拙。猪突猛進型、アクセル役。 その力は母親をも凌ぎ、マジハンパねぇ。 カレン:マリアベルの幼馴染。妖精姫と人との間に生まれた女の子…

なぞ・・・

「ウルド姉さまっ?いる?」 返事が無い。また変なお薬でも作っているのかしら? もう一度、声をかけてみた。 「ウルド姉さま〜!入るわよ?」 襖には法術ロックはされていなかった。スッと開いた襖に 少し唖然としながらも、中にいたウルドの姿を見る。 さ…

なぞの・・・

その頃ウルドは… 「こりゃテラモエス!」 満面の笑み、或いはニヤニヤ動画といった面持ちで ひたすらTVモニターに釘付けだった。 手には何やらコントローラみたいな物があり、盛んに 動かしている。 何かゲームを堪能しているようだった。 2級神管理限定のウル…

なぞの転校生…

ここは、聖鈴学園中等部のある校舎、憂いを帯びた二人は トボトボと廊下を歩いていた。 放課後、居残りさせられたのであろうか、それとも 何か…事件でもあったのであろうか。 「ねぇ、マリアベルちゃん…」 隣で歩いているカレンが、つぶやいた。 マリアベル…

予告

「お歌…好き?」 「うんっ! 大好きっ」 そのキラキラした瞳には、無数の銀河が存在していて 無限に広がる世界に広がっていくように思えた。 だから私、誘ってみたの 「一緒に歌おうか?」 小さな天使たちは、拙い声で旋律を奏でて行く。 私は、彼女らの旋律…

アンサー

2月だと言うのに、今日は何だか暖かいな、と いつものジャンパーを羽織った螢一は思った。 「重ね着しているセーターを脱ぐか…」 このセーター、去年彼女がプレゼントしてくれた物だ。 随分着こんでしまったけど、どこもくたびれてないよ。 彼女、どんな思…

バレンタイン・チョコ

少しお酒も入れてみる 甘い思いオブラートに包んで 黒の包装紙にピンクのリボン 装備は完璧だわ だなんて、別に何も装備する必要なんて無いわね そんな事を思いながらクスクス笑って でも、心はもっと もっと とせがんで来る。 あなたの事が 「すき」 今年は…