2010-01-01から1年間の記事一覧

天上界の恋人10.

天上界の恋人10. 「・・・えっ? バルド・・・って?」 一体、何を言っているんですかベルダンディーさんは、と ペイオースは少々混乱気味だ。それにしても、そこまでして 隠す事はないですのに、と思った。 「呼んできましょう」とベルダンディーは踵を返して…

「義理ホワイトディ」2.

何時もの通い慣れた道を走って、見慣れた部室へと辿り付いた 螢一は、KSRのエンジンを切って、部室に向かった。 「お〜す」ドアを開け声を掛ける。返事は無い。 「あれぇ・・・誰も居ないのか・・・長谷川は?」 部室を見渡しても、散乱した部品達があるだけだ…

天上界の恋人9.

天上界の恋人9. 「あら、いらっしゃ〜い」 そんな軽やかな声と笑顔に出迎えられて、少々拍子抜けした ペイオースだった。先程の別空間、異空間は何だったのかしら、と 首を傾げるのだが、とにかく気になる事が先行するのだった。 玄関先で笑顔のベルダンデ…

お花見に

4月と言えば、お花見ですよねー。 まぁ、行ってないんですがねー。 行けない、とも言うかなー。 悲しいねー。悲しいねー。 「天上界の恋人」その後、中断ちぅ。 「義理ホワイトディ」後半、中断つぅ。 清書してねぇ・・・と言うか、アラスジのまんま。 締め切…

卯花月

エイプリルフールディの事を知ったのは、某TVの バラエティ番組を見たからなのであるが、それにしても 女神ウルドの瞳は、神々しいほど輝きを増していた。 「これだわっ!」 何がコレなのか分からないが、それでも女神ウルドは 溌剌として、みんなのティー…

「義理ホワイトディ」

「あ、ありのまま・・・あの日起こった事を話するぜ・・・」 大滝彦左衛門は、盟友 田宮寅一と共に猫実工大の院生だ。 先日、そう、それは乙女の一大イベントの名に相応しいあの、 バレンタインディの時に起こった事件が事の発端だった。 ひょんな事から、大滝にチ…

天上界の恋人8.

天上界の恋人8. 「でも、あら・・・何か違和感が・・・」 いくらフレンドリーだとしても、いきなり「おかえり・・・」って おかしいですわね、とペイオースは思うのだった。 しかし眼前にあるのは、何時もの森里家の面々だし、笑顔で わたくしを迎えてくれている訳…

春先にて

風邪なのか花粉症なのか・・・鼻がズビズバーパパパヤー。 ベルダンディーさんに聞いた見た。 「それはきっと、花粉症・・・」 どうすれば治るのでしょうかー! 「そうですね、もっと自然に対して感謝の心を持つ事です」 感謝ですかー!感謝ですねー! 「そうです・…

姉もねっ!

ホワイトディの贈り物 姉もねっ! そんな訳で、ご返済と言う次第になったホワイトディ。 森里螢一は少し悩んで、無難な路線を選ぶ訳だが、だがそこは 女神さまっと共に生きる事を願った男の悲運(いや、幸運か)が 何かを予兆していた。 「ベ、ベルダンディー…

天上界の恋人7.

天上界の恋人7. 「どうして何時も・・・」 慌しく用意をしたかと思うと、一目散にゲートを目指して駆け込んだ 黒髪の麗しい女神ペイオースが去った後、天上界のブースでは、 残された女神達が口々に囁いていた。 「ペイオースったら、地上界に降臨する時は、…

雑記

雑記。 もうすぐホワイトディなので、お話を書こうとしてますが。 案その1.バレタインの話の続きを。 案その2.王道としてのベル&K-1話とか。 案その3.スク&仙の甘ったるい話とか。 案1〜3は、全て骨組みは完成してます。 連載中の「〜の恋人」もあ…

天上界の恋人6.

天上界の恋人6. どうやらペイオースと繋がったみたいだ。それにしても、ずいぶん 長い電話だな、と螢一は思った。後で詳細を尋ねてみるか。 「元気にしてました?まぁ!そうなの〜」 明るい声が玄関先に響き渡る。 「ええ、きっと螢一さんっも喜ぶと思うわ…

天上界の恋人5.5

天上界の恋人5.5 「はいっこちら・・・あら?ベルダンディー?」 天上界のコントロールブースで、華奢な猫脚のチェアーに腰掛て ペイオースは受話器を取った。 「珍しいわねぇ・・・どうなさったのかしら?」 いさかか疑問も在るのだが、懐かしい声に心は飛翔し…

三月 弥生 夢見月

三月 弥生 夢見月... 雛祭りも、とうに過ぎたある日。 森里家の縁側で、まったりと過す三人の女神さまっが居ました。 上の長女は、先の雛祭りで頂いた白酒が気に入った様子で、 どういった経緯で入手したのか、濁り酒を堪能して 始終ご機嫌な様相です。 次女…

天上界の恋人5.

天上界の恋人5. 「どうやら眠ってしまったみたいです・・・」 螢一の部屋の襖を閉めて、ベルダンディーと螢一は、小声で話しを していた。 バルドは先程の喧騒の中で、自身の体力を奪う位に泣き伏せた。 その結果、寝入ってしまった訳だ。 「そうなのか・・・そ…

天上界の恋人4.

天上界の恋人4. 「ペイオースは貴様にとって、どんな存在なのだ?」 いきなり高飛車な質問だ、と螢一は思った。バルドと言う少年は 堂々としているのだが、その風貌から見ると、かなり無理している ような気もしてくる。ポリポリと頭を掻いて質問の意図を…

天上界の恋人3.

天上界の恋人3. 「まぁ!螢一さんっのお友達だったのねっ!」 ベルダンディーは嬉々として言った。 まぁ何か違うような気もするが、それはそれで良いかと、バルド は事が運ぶ事に同意する。しかし、何で子供の姿で顕現したのか、 甚だ疑問に思う訳だが、こ…

天上界の恋人2.

天上界の恋人2. ペイオースの”元”恋人と称する男性神が、思い余って地上界に 降臨すると言う次第になった。それは別段、天上界でも話題には 成らなかったのだが。男性神の真名はバルドと言った。そして、 その名は天上界でも一目置かれている存在であった…

天上界の恋人

彼女の艶やかな髪が揺れた。 振り返るその姿は、まるで奇跡のようだ。 ゆっくり、そして流れるようにして向けられる表情は 少し驚いて、少し煌いて、そして少し頬染めて。 「ペイオース!」 「あら、あなた、でしたの・・・ごきげんよう」 彼女は私の恋人だった…

心で奏でるもの

猫実市の小高い丘にある他力本願寺の裏庭から、柔らかな声が 響き渡る。それは小鳥達の囀り、それとも季節風が木々を揺らす音 なのか。自然の中にある音の粒をすくい取って、それを掌に包んで 慈しむ様に声を揃える。木々の陰影、木漏れ日、影絵のように姿を…

「義理チョコ」

「はいっ彦ちゃんっ!」 「さささ・・・里ちゃん!」 今日はバレンタインの日。女性が好きな男性に告れる日だ。 付き合い始めて数年が経過したカップルも、この日だけは何だか 神聖な気持ち、と言うか初々しい気持ちになってしまう。 彦ちゃん・・・その名に相…

スクルドって

「まったく!螢一は、まったく!!」 先日の玄関先の事件から数日、スクルドは事の次第を後で聞くと言う 羽目になるのだった。 「なんでその時にアタシが居ないのよっ!」 いたら絶対阻止してやったのに!アタシの大事なおねえさまっに 何て事を仕出かしてく…

ベルちゃんって

「おっ!猫だっ!」 そう言って螢一さんったら、猫さんの傍まで駆け寄って行って 抱き上げて頭とか顎とか、ナデナデしていたんです。 私、本当に単純に「いいなぁ」って思ったりしたんです。 それはいつもの帰り道の事、螢一さんっが「少し休もうか」と 言っ…

ウルド姉さんって

「う〜ん・・・はぁ・・・」 朝、ベッドから身を起こし、両腕を伸ばすウルドは 爽やかな朝には、およそ似つかわしくない溜息を漏らした。 昨夜の深酒が祟ったのだろうか、いや、それは無い筈だ。 彼女ほどの酒豪、バッカスも降参する程の酒神がだ、たかだか それっ…

節分の後で

それは節分が終わった数日後の出来事・・・ 「なんでアタシが”鬼”役なのよ〜!!」 ウルドは自室で、自身を鏡に映しながら憤懣遣る瀬無い、と 言った心境だ。 「・・・こんなに綺麗なおね〜さんを・・・」 ちょっとシナを作ったり、ウインクをしたりポーズを作ってい…

節分だね

先日、ベルダンディーと猫実商店街に買い物に出掛けた時の事。 ガチャポンが店先に並んであるお店があった。 玩具屋さんである。 普段は目にも留まらないのだが、ベルダンディーが、ふいに 尋ねて来た。 「螢一さんっ?あれは、何でしょうか?」 数台が重ね…

女神さまっと森の妖精達。

今日で1月も終わりだねー。2011年まであと少しだねー。 それは置いといて。 天上界の森には、一台のピアノが置いてあって、森の住人である 妖精さん達が、その周りに集まる日があるんだ。 若い男の神さまっが、時折そこに来ては、思い思いの音楽を 奏で…

現在思案中。

それはまるで、時が止まったかのような場所で、ふたりは そして、まわりのみんなは楽しげに暮らしていた。 「うん、俺の恋人は、女神さまっなんだよ」だなんて、一体 誰に告げれると思うんだい? そして、ちょっと諦めにも似た溜息を付いて、森里螢一は 自室…

古いアルバムの中に

風の属性 香るそよ風に わたしが、真っ先に!と思ったの小さなつむじ風 いたずら好きな天界のコリドーを 螺旋の階段をすべるように 上昇してきっといつか わたしのような風の天使を お友達にしてねゆれる木の葉 陰影映し出す光今からの約束よ 愛しているわ。…

古書を探して

それはきっと遠い未来のお話 それはきっと遠い過去のお話 神聖なる満月の夜を待って 時を遡る様に 書架の中を旅しています 私の可愛い相棒と共に 風の凪いだ夜 サイリウムの光の中に映る世界は きっと懐かしい未来の想い出 「ほら、あの書棚の上 あそこにあ…